10月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ上昇、G20開幕で欧州危機対策に期待

ニューヨーク外国為替市場ではユーロがドルに対して上昇。週間 ベースでは1月以来の上げ幅となった。欧州の債務問題の対応策を協 議するため20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がこの日 から開催され、危機が収束に向かうとの期待が広がった。

円は対ドルで下落。日本当局が円高抑制へ向けた措置を取るとの 観測が強まった。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所 (ICE)のドル・インデックスは4週間ぶりの水準に下げた。この 日発表された米小売売上高が前月比で増加したことを受けて、株式相 場が上昇。資金逃避先としての安全資産の需要が後退した。ユーロは ドルに対して上昇した。ガイトナー米財務長官が、欧州は危機解決へ 向けて「明らかに前進している」と発言したことが好感された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は、「米経済指標の改善に 加え、少なくとも話し合いの上では欧州の当局者が正しい方向へ進ん でいるという進展が重なった」と指摘。「2週間前はメルトダウンが 市場に織り込まれていたが、今は高利回り通貨の多くがショートカバ ーで上げている」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時8分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.8%上げて1ユーロ=1.3884ドル。週間では3.8%上げ、1月 14日終了週以来の大幅高となった。ユーロは7-9月(第3四半期) に7.7%下落し、2010年4-6月以来の下げ幅となった。円に対し てはこの日1.2%上げて1ユーロ=107円21銭。一時107円45銭 と、9月9日以来の高値を付けた。

円高対策

円は対ドルで0.5%安の1ドル=77円25銭。ダウ・ジョーン ズ通信は日本政府が早ければ来週にも新たな円高対策を発表すると報 じた。

ダウ・ジョーンズ通信によれば、日本当局が講じる措置には海外 での合併・買収(M&A)を促進するための資金供給増加が含まれる 可能性があるが、通貨取引に対する課税は含まれない。

この日のICEのドル・インデックスは一時0.7%低下して

76.508と、9月16日以来の低水準。世界の主要準備通貨であるド ルへの逃避需要が弱まったことが背景にある。

米商務省が14日発表した9月の小売売上高(速報値)は、前月 比1.1%増加と、2月以来の大幅な伸びを示した。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.7%増だっ た。前月は0.3%増に上方修正された。

「流れを変えた」

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は「この統計は流 れを変えた。非農業部門雇用者数も追い風だった」とし、「この2つ の統計は市場心理に相当な影響を与えている」と指摘した。

米労働省が先週発表した9月の非農業部門雇用者数は前月比10 万3000人増だった。失業率は9.1%で高止まり。

パリで開催されているG20財務相・中央銀行総裁会議では、国 際通貨基金(IMF)の融資能力拡大を含めた欧州の救済策が検討さ れている。G20とIMFの当局者が明らかにした。

欧州の首脳らは23日の域内サミットで最終案をまとめ、11月 3、4両日のG20首脳会議で提示する計画だ。ギリシャをデフォル ト(債務不履行)へと追い詰めつつある危機に対して、フランスとド イツ政府は「永続的な」解決策を示すと約束している。

ガイトナー米財務長官は14日、訪問先のパリで米経済専門局C NBCのインタビューに応じ、「欧州はより包括的かつ強力な政府支 援パッケージを協議している。さらに予防的措置として銀行の増資を 話し合っている」と述べ、「これこそ欧州がやるべきことだ。もちろ ん、困難はこれからだ」と続けた。

◎米国株:反発、小売統計を好感-S&P500は週間6%高

米株式相場は反発。小売売上高がエコノミスト予想を上回ったこ とを手掛かりに買いが入った。この日から始まった20カ国・地域(G 20)財務相・中央銀行総裁会議は欧州債務危機について協議する。S &P500種株価指数は週間では2009年7月以来の大幅高となった。

売上高が市場予想を上回ったグーグルは5.9%高。アップルは

3.3%上昇。スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(ア イフォーン)」の新機種「4S」の販売台数が週末に400万台に上 るとの見方が背景にある。4Sは5日に死去したスティーブ・ジョブ ズ氏の下で開発された最後の製品の1つ。アマゾン・ドット・コムや キャタピラーなど景気敏感株も高い。

S&P500種株価指数は前日比1.7%高の1224.58。週間では 6%高。ダウ工業株30種平均は前日比166.36ドル(1.5%)高の

11644.49で終了。ナスダック総合指数(1.8%高)と共に年初から の下げを埋めた。米国の証券取引所の出来高(推定)は午後4時32 分現在で約67億株と、8月29日以来の薄商い。

セキュリティー・グローバル・インベスターズで260億ドルの 運用に携わるマーク・ブロンゾ氏は電話インタビューで、「株価は底 を形成した可能性が高い」と発言。「経済は一部で考えられていたほ ど弱くはない。収益見通しは一部で下方修正されるだろうが、恐れら れたほどではないかもしれない」と述べた。

レンジの上限

S&P500種は終値ベースで8月3日以来の高値となった。過 去2カ月余りのレンジ(1074.77-1230.71)の上限に近い。

ジャネイ・モントゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジス ト、マーク・ルッシニ氏は電話インタビューで、「この取引レンジを 上抜くことは非常に重要だ」と指摘。「現在の上昇局面は力強いが、 チャート分析はまだ買いを示唆していない。この1230近辺の抵抗線 を抜ければ、そのハードルを越えたと言え、次の水準が見えてくる」 と語った。

シティグループ経済サプライズ指数は2.2と、4月29日以降 で初めてプラスに転じた。S&P500種はその日、ほぼ3年ぶり高 値を付けて天井を形成した。サプライズ指数は6月3日にマイナス

117.20に低下。経済指標がエコノミスト予想中央値を2009年1月 以降で最も下回ったことを示唆した。

小売売上高

信頼感低迷と弱い雇用情勢を背景に個人消費が腰折れするとの懸 念が根強かったが、9月の小売売上高が予想を上回り、その心配は和 らいだ。

欧州株の上昇も支援材料。G20および国際通貨基金(IMF) 関係者によると、G20会議では欧州の危機解決策として、IMFの 融資能力拡大が検討されるもようだ。欧州当局者はギリシャ債の評価 額最大50%引き下げを検討している。協議に詳しい関係者が明らか にした。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によれば、S&P500 種構成企業の第3四半期利益は17%増となっている。2011年通年 では18%増の99.77ドルと過去最高益を記録するとみられている。 ブルームバーグのデータによると、2012年の予想利益を基にした株 価収益率(PER)は10.9倍、過去50年の実績ベースのPERは

16.4倍。

◎米国債:下落、週間ベースで4月来最長の連続安

米国債相場は下落。10年債と30年債は週間ベースでも下げ、 ここ6カ月余りで最長の連続安となった。欧州の債務危機が解決に 向かうとの期待が高まり、安全逃避先としての国債需要が損なわれ た。

10年債利回りは一時6週間ぶり高水準に迫った。米小売売上 高は予想以上の伸びを示したことから、米国がリセッション(景気 後退)に向かっているとの懸念は緩和した。パリでは20カ国・地 域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が14-15日の日程で始まっ た。欧州債務問題の解決策の一つとして、国際通貨基金(IMF) の融資能力拡大で当局者は合意するとみられている。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債ト レーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「欧 州はようやく、行動にまとまりがでてきたようだ」と述べ、「不安 主導で取引されていた米国債市場には、これでかなりの安心がもた らされた。米国の経済統計は比較的良好な内容だ。米経済の二番底 入りの見方は遠のきつつある」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク 時間午後4時34分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上げて2.25%。一時は2.26%まで上 昇した。12日には2.27%と、9月1日以来の高水準をつけた。10 年債利回りは週間ベースで17bp上昇。同年債価格(表面利率

2.125%、償還期限2021年8月)は19/32下げて99 7/8。

30年債利回りは9bp上げて3.24%。12日には3週間ぶり 高水準となる3.25%をつけた。週間ベースでは22bp上昇した。

10年債、30年債は3週連続安

10年債、30年債いずれも3週連続安。10年債は4月8日に 終了した週以降で最長の連続安。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米 国債の投資は今月に入って、0.9%のマイナス。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャ ロン氏は、「利回り上昇は買いの好機と見ている」と述べ、「投資 家が成長率とインフレ期待の見通しに重大な上方修正を加え始めな ければ、米10年債利回りの予想レンジの上限は2.56%だと考えて いる」と続けた。

米商務省が発表した9月の小売売上高(速報値)は、季 節調整済みで前月比1.1%増加と、ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値(0.7%増)を上回った。同統計 発表後、米国債は下げ幅を拡大した。

一方、10月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速 報値)は57.5と、前月の59.4から低下した。

ブレークイーブンレートが拡大

消費者物価の予測値を示す10年債と同年限のインフレ連動債 (TIPS)との利回り格差(ブレークイーブンレート)は、1.99 ポイントと、9月8日以来の高水準に上昇した。

30年債と5年債の利回り格差は2.1ポイント。年初からの平 均値は2.5ポイント、過去5年間では1.6ポイントとなっている。

この日の2年債利回りは1bp下げて0.27%だった。

米財務省が発表した2011年度(9月末で終了)の米財政赤 字は1兆3000億ドルと、過去2番目に高い水準だった。財政赤字 の1兆ドル超はこれで3年連続となった。

◎NY金先物:反発、現物需要拡大で-商品・株高も手掛かり

ニューヨーク金先物相場は反発。週間でも上昇し、9月初め以来 の大幅高となった。宝飾品やコイン向けの需要増加が背景。商品や株 価が上昇したことも手掛かりになった。

商品相場は週間ベースで昨年12月以来の大幅高、世界の株価は 7月以来最大の上昇となる見通し。この日は20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議が始まった。協議では欧州債務危機への対 応が焦点となる。米小売売上高はアナリスト予想を上回った。インド では婚礼シーズンと今月の宗教的行事を前に金の需要が拡大する可能 性がある。同国は世界最大の金消費国。

ザブリオンデスク・ドット・コムのアナリスト、ジェームズ・ム ーア氏(ロンドン在勤)はリポートで、「かなりの現物需要と投資目 的の買いに金は支えられている」と指摘。「ファンドの撤退や投機的 なロング(買い持ち)の解消を経て、一段高への環境が整った」と述 べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.9%高の1オンス=1683ドルで終了。週間では

2.9%の値上がり。

◎NY原油:3週間ぶり高値、G20や米小売指標手掛かり

ニューヨーク原油先物相場は3週間ぶりの高値に上昇した。20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がパリで始まり、欧州債 務危機の解決策を協議するとみられることや、米小売売上高が増加し たことが背景。

国際通貨基金(IMF)は危機の食い止めに向け融資能力を拡大 する可能性があると、G20とIMFの当局者が明らかにした。米商 務省がこの日発表した小売売上高は前月比1.1%増加した。ロンド ンの北海ブレントは米指標であるウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)原油に対して過去最大のプレミアム(上乗せ価格) で取引されている。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場リサーチ責任者のマイケル・ウ ィトナー氏は、「債務危機は収束にはほど遠いが、前進しているよう には見受けられる、それは原油にとって強材料だ」と指摘。「経済統計 は、特に米国で最近改善した。ネガティブというより、今は強弱入り 混じりだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比2.57ドル(3.05%)高の1バレル=86.80ドルで終了。終 値では先月20日以来の高値となった。週間では4.6%上昇、年初 からは5%の値下がり。

◎欧州株:反発、ストックス600は3週連続高-G20会合開幕

14日の欧州株式相場は反発。ストックス欧州600指数は週ベー スで3週連続高となり、ここ半年で最長の上げ局面となっている。この 日からパリで始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議 では、ユーロ圏債務危機の対応策が話し合われる。

スイスの農薬会社シンジェンタが高い。市場予想を上回った7- 9月(第3四半期)売上高が好感された。経営管理ソフトメーカー最 大手、ドイツのSAPは2.1%上昇。同社は第3四半期の増収増益 を明らかにした。銅の値上がりを手掛かりに、スイスのエクストラー タなど資源株も高くなった。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の238.51。前週末 からは2.8%値上がり。ユーロ圏当局者が域内債務危機を封じ込め るとの楽観的な見方が背景。今年2月17日に付けた年初来高値は 18%下回っている。

フィールディングス・インベストメント・マネジメントのファン ドマネジャー、ポール・コフィン氏(ロンドン在勤)は「市場のセン チメントは良くなった」と述べ、「相場は好調に上げたが、欧州が十 分に強い対応を示さなければ期待外れになりかねない」と付け加えた。

パリでは15日までG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され る。危機対応策にはギリシャ債保有者の損失負担拡大や国際通貨基金 (IMF)の能力増強策が含まれる可能性がある。計画は23日にブ リュッセルで開かれる欧州首脳会議でまとめられ、11月3-4日の G20首脳会議に提示される公算がある。

この日の西欧市場では、アイスランドとデンマークを除く16カ 国で主要株価指数が上昇。前日に米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)がスペインを格下げしたものの、株式相場は 上げ基調だった。

シンジェンタは1.3%高の268.20スイス・フランで終了。S APの終値は41.40ユーロ。エクストラータは3.1%高の974.1 ペンスで取引を終えた。

◎欧州債:フランス国債利回りが大幅上昇-ドイツ債も軟調

14日の欧州債市場ではフランス国債が下落し、10年債利回りは 2008年10月以来で最大の上昇となった。欧州各国が銀行を強化する 必要があり、これが各国の財政を一段と圧迫するとの観測が高まった。

仏10年債利回りは今週、38ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇。ユーロが導入された1999年以後で最大の上げを 記録した。ドイツ10年債に対する利回り上乗せ幅も拡大し、これも ユーロ導入後の最大を記録した。

スペイン10年債は5日続落。格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)による同国格下げが嫌気された。欧州中央銀 行(ECB)のトリシェ総裁がECBは「最後の貸し手」にならない と発言したことを受け、ユーロ圏全体で国債利回りが上昇した。

ドイツ銀行の欧州金利ストラテジー部門責任者、モヒト・クマー ル氏(ロンドン在勤)は、「最上級格付け国の中でフランスはやや脆 弱(ぜいじゃく)だ」と述べ、銀行のバランスシートの強化方法次第 では「ソブリン債や経済に影響が及ぶ」と続けた。

ロンドン時間午後4時27分現在、仏10年債利回りは前日比17 bp上昇の3.13%。一時は18.6bp上げた。同国債(表面利率

3.25%、2021年10月償還)価格は1.485下げ101.025。独10 年債との利回り格差は一時、94bpに拡大した。前週末は75bp。

フランス以外の最上級格付け国の国債利回りも上昇。オランダ 10年債利回りは前日比9bp上昇し2.61%、オーストリア10年債 利回りは13bp上げ3.09%。独10年債利回りは9bp上げて

2.20%となった。

スペイン国債は軟調だった。10年債利回りは4bp上昇の

5.24%。ECBが国債を購入したとの関係者情報が伝えられたもの の、反応は薄かった。S&Pは13日、スペインの格付けを1段階引 き下げ「AA-」とし、見通しを「ネガティブ」に据え置いた。

◎英国債:10年債下落、8月来高利回りに接近-株高で需要後退

14日の英国債市場では10年債が下落。週間ベースでは3カ月で 最大の下げとなった。欧州の株高を背景に比較的安全とされる英国債 の需要が後退した。

10年債利回りは8月以来の高水準に近づいた。20カ国・地域 (G20)が欧州の債務危機への対策として、国際通貨基金(IMF) の融資能力拡大などの追加措置を講じるとの見方が広がったことが背 景にある。

モルガン・スタンレーの債券ストラテジスト、アンソニー・オブ ライエン氏(ロンドン在勤)は「株式市場に対する落胆がやや弱まっ たことから、投資家は債券市場から資金を移動し、高リスク資産に注 目している」と述べ、「景気見通しはそれほど良くないが、債務危機 に関しては欧州政局への悲観的な見方がやや弱まった」と続けた。

ロンドン時間午後4時47分現在、10年債利回りは前日比5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.61%。13日に は8月9日以来の最高となる2.67%まで上げていた。同国債(表面 利率3.75%、2021年9月償還)価格はこの日、0.48下げ

109.875。利回りは前週末比では14bp上昇した。これは7月1日 終了週以降で最大。

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