欧州危機の「永続的」解決策、ようやくまとまる気配か-漂う切迫感

【記者:Simon Kennedy and Mark Deen】

10月14日(ブルームバーグ):20カ国・地域(G20)財務 相・中央銀行総裁会議がパリで始まる14日、欧州の危機解決策は 徐々に形を成し始めているようだ。ギリシャ債での投資家の負担拡大、 銀行の資本増強、救済基金と国際通貨基金(IMF)の能力拡大が柱 となるもようだ。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日 にスペインの信用格付けを引き下げ、2年に及ぶ欧州債務危機の解決 は待ったなしの状態となっている。

欧州2位の保険会社、フランスのアクサ・グループのチーフエコ ノミストのエリック・チェイニー氏は14日パリでブルームバーグテ レビジョンのインタビューに応じ、「切迫感が漂っている」と語った。 「欧州勢には解決策を見つけるように強い圧力がかかるだろう」と付 け加えた。

欧州の首脳らは23日の域内サミットで最終案をまとめ、11月 3、4両日のG20首脳会議で提示する計画だ。ギリシャをデフォル ト(債務不履行)へと追い詰めつつある危機に対して、フランスとド イツ政府は「永続的な」解決策を示すと約束している。

3カ月前にギリシャ国債での21%債務減免に自発的に合意した 金融機関は、減免幅の拡大を迫られる。事情に詳しい複数の関係者に よれば、ドイツの銀行は最大60%の損失に備えている。ドイツのメ ルケル首相はこの日の講演で「ギリシャ債の評価額引き下げが避けら れない場合も、それ以上悪いことが起こらないように、構造改革につ ながるように、慎重で念入りな準備をした上でなければならない」と 語った。

アナリストはソブリン債からの損失を銀行が吸収できるためには 少なくとも1000億ユーロの追加資本が必要と試算している。既存株 主などが増資に応じない場合は公的資金が必要になる。欧州連合(E U)の銀行監督当局である欧州銀行監督機構(EBA)は、来週の欧 州財務相会合に間に合うように域内銀行の資本ニーズについての査定 を完了する方針だ。EBAは銀行の自己資本比率の最低要件を9%と、 7月の審査時の5%から引き上げる考えだと関係者が述べている。

域内の救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF) は、国債購入と銀行支援、政府への与信枠提供が可能になる見通しと なったが、4400億ユーロの規模はまだ危機解決には不十分とみられ る。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) のエコノミストらはイタリアとスペインが安全だと投資家に納得させ るには2兆ユーロが必要だとみている。

G20とIMFの当局者によれば、欧州の債務危機対策としてI MFの融資能力を拡大する案も検討されている。

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