欧州の銀行の「最後の貸し手」はやはり納税者か-株主は出資に抵抗も

【記者:Liam Vaughan, Kevin Crowley and Elisa Martinuzzi】

10月14日(ブルームバーグ):欧州の銀行株主らは金融業界への 追加資本注入の要求に抵抗している。そのような圧力は「最後の投資 家」の役割を納税者に委ねることになりかねない。

欧州連合(EU)指導者らは域内の銀行の資本増強策をまとめる 作業を進めているが、1000億ユーロ(約10兆5700億円)から3000 億ユーロ余りに上る追加資本の確保を迫られる可能性があるとアナリ ストは試算している。

そのための資金は既存の投資家から調達するか、恐らく付帯条件 付きで政府から提供されることになるだろう。しかし、英国最大の独 立系資産運用会社シュローダーズとスイスカント・アセット・マネジ メント(チューリヒ)は、ユーロ圏の財政危機の解決がうまくいかな い場合、金融株がさらに下げる恐れがあるため、新たな投資に乗り気 ではない。

スイスカントで資産運用を手掛け、ドイツ銀行の株式にも投資す るペーター・ブレンドル氏は「銀行は投資家の信頼を回復する必要が あり、資本調達を行う前にどのようなパフォーマンスが実現できるか を示さなければならない」と話す。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長 は、国やEUの支援を受ける銀行のボーナスと配当の支払いを制限す る方針を明らかにした。ドイツ銀行連盟(BDB)は、配当制限が将 来の資金調達を困難にすると批判。一部の投資家やアナリストも銀行 に資本増強を迫ることは、ソブリン債に対する投資家の信認という根 本的な問題に対応するものではないと主張している。

厳しい債務減免なら36兆円

シュローダーズの欧州銀行アナリスト、ジャスティン・ビセッカ ー氏は「銀行の資本増強は解決策ではない。ソブリンリスクこそ主た る懸念であり、ソブリン債の信認が戻れば、それに続いて銀行への信 頼も回復するだろう」との見方を示す。

みずほ証券の銀行アナリスト、ロジャー・フランシス氏(ロンド ン在勤)は、ギリシャ国債の評価損が市場価値の完全な喪失を反映す るほど「厳しいヘアカット(債務減免)」が適用される場合、欧州の銀 行が必要とする追加資本の額は3380億ユーロ(約36兆円)に達する と予想している。

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