JT:配当性向引き上げへ、競合意識して来期中計で-志水副社長

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上場たばこ企業で販売数世界3位 のJTは、配当性向の引き上げを検討している。財務体質改善が進んだ ことで株主の要望に応える。志水雅一副社長がインタビューで明らかに した。配当性向は世界の競合他社の水準に近づくことになる。

JTの前期(2011年3月期)配当性向は45%。同首位の米フィリッ プ・モリス・インターナショナル(PMI)は62%、2位の英ブリティ ッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は79%。志水副社長は配当性向 について都内で12日、ライバルに比べ「ビハインドは間違いない」と して来春からの新中期計画で新目標を設定する意向を示した。

現在の配当性向の目標(のれん代償却の影響を除いた基準)は30% で、現行中計の最終年である今期(12年3月期)配当8000円で目標を 達成する見通しだ。07年の英ギャラハー買収で1兆4000億円近くに達 した有利子負債は前期末でほぼ半減、財務の安定性を示すDEレシオは

0.67から0.47に改善した。配当性向引き上げの株主の要望も高まって おり、JTは新たな目標について詰めの作業を進めている。

ジャパンインベストの大和樹彦アナリストはJTの配当性向につい て、のれん代に有形固定資産の減価償却を加えた純利益ベースで20%程 度と指摘、「30%に当たる1万2000円までの増配は可能ではないか」 と述べた。株主の英投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメン ト・ファンド・マネジメント(TCI)もJTに、のれん代除いた純利 益の50%に当たる1万7000円への増配と自社株買いを要求した。

志水副社長はTCIについて、個人的な見解とした上で「たばこ価 格が上昇する中、買いたい商品を提供しないと需要は減るばかりで投資 が必要だ」と強調した。デザイン、パッケージ、味のバリエーションを 増やし付加価値を高めたり、無煙たばこのような革新的な商品開発のた めの投資と株主還元とのバランスを取る方針だ。

たばこ増税

政府・民主党は、東日本大震災からの復興財源の臨時増税対象にた ばこ税も選択肢とする考えを示している。志水副社長は「税の枠組みの 中で色々上げる中でたばこもなら仕方がないが、取りやすいところだけ 取るのか」と述べ、微々たる税収増しか見込めない増税によって、小売 店、葉たばこ農家などからなる産業に痛手を負わせるのかと語った。

また政府保有分のJT株売却については、今後の企業の合併、買収 (M&A)の際の資金調達自由度を高めるという観点から全株売却を要 望した。