スズキ:独VWに契約違反通告書を送付-提携解消へ一歩前進狙い

スズキは14日、独フォルクスワー ゲン(VW)に対し、資本・業務提携の契約違反通告書を送付したと 発表した。提携解消に向けた協議が進んでいないことから、交渉を一 歩前進させることが狙い。

スズキの原山保人副社長は会見で、これまでもスズキの不満をV Wに伝える努力をしてきたが、今回、その内容を「具体的かつ詳細に 記載した通知を送ることで、円満に資本関係の解消を検討してもらう」 ことが最大の目的だと述べた。

通告書では、包括提携契約に明確に記載されていたハイブリッド など環境関連のコア技術へのアクセスが全く実現しなかったことなど 詳細に記したという。違反通告は、提携契約で決められたプロセスに のっとったもので、回答には「数週間」の期限を設けている。今後に ついて同副社長は、「VWがこれをどのように分析するかをまずは見極 めたい」と語った。

スズキが通告書を出したことについて、独VWの広報担当のミヒ ャエル・ブレンデル氏は同日、「遺憾だ」とコメントした。契約違反と いうスズキの主張は「まったく根拠がない」と退けた上で、VWはス ズキとの提携を守るためにできることは全て行った、と述べた。今後 の対応については検討中だが、スズキとの関係については全ての選択 肢を残しておくとしている。電話取材に答えた。

IHSオートモーティブの西本真敏アナリストは、「VWとの提携 関係によって自社開発に遅れが出ているのであれば、インド市場も国 内の軽自動車市場も競争が激しくなってきているので、なるべく早く、 波風立たないように提携関係を終わらせたいのであろう」と述べた。

解消を急ぐ

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、スズキ が期待した技術へのアクセスができず環境技術開発で2年間を無駄に したのは、死活問題だとコメントした。

原山副社長は、提携解消を急がなければスズキのビジネスに影響 があるか、という問いに対し、明確に「ない」と否定したが、「2年間 を浪費したという思いはある」と述べた。

今後の交渉は、VW側からの回答を待って進めることになるが、 当面は提訴を検討するよりは、「円満な提携解消」を求めていくとい う。また、スズキ独自の環境技術開発は加速していると述べた。

これに対し、ミズノ・クレジット・サービスの水野辰哉代表は、 「互いに契約違反があったというのであれば、最終的には裁判所に解 決してもらうことになるのではないか」という見方を示した。契約書 には通常、法的に争う場合の管轄裁判所をどこにするかまで決めたプ ロセスが記載してあるという。

スズキは部品の共通化や環境技術の共同開発を目指し、2009年12 月にVWと資本・業務提携を結び、VWはスズキ株を19.9%、スズキ はVW株1.5%を保有している。

スズキは提携解消を取締役会で決定した9月12日、VWに対し、 保有株の買い戻しの意思を示したが、同日、VWはスズキ株の売却予 定はないとコメントしている。

--取材協力: Andreas Cremer Editor:Tetsuki Murotani Junko Hayashi Keiichi Yamamura

Eijiro Ueno

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