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ユーロ小反発、ギリシャのユーロ圏離脱を否定-ドル・円は76円台後半

東京外国為替市場では、午後の取 引終盤でユーロが値を戻す展開となった。ギリシャの債務問題に絡む ユーロ圏内の財政や金融機関への負担増をめぐる懸念は根強いものの、 同国のユーロ圏離脱の可能性を否定する当局者発言を受けて、ユーロ の下値は限定された。

ユーロ・円相場は朝方の取引でスペイン国債の格下げが伝わると、 ユーロ売りが先行し、一時は1ユーロ=105円60銭まで下落。午後に かけて105円台後半での取引が続いていたが、徐々に下げ渋る展開と なり、一時は106円28銭まで値を戻している。

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク理事は、ラトビアのラジオ とのインタビューで、ギリシャにとってユーロ圏からの離脱は「選択 肢ではない」と言明。ユーロ・ドル相場は午前の取引で付けた1ユー ロ=1.3624ドルを下値に、午後にかけてじり高に展開し、一時は

1.3815ドルまで水準を切り上げている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、今週は欧州の 債務問題に関して全体的には「一歩前進」といった状況下で、「ユーロ 買い材料に反応しやすくなっている」と説明。ギリシャがユーロ圏を 離脱するとなれば、デフォルト(債務不履行)に陥った場合のセーフ ティーネット(安全網)がなくなることになり、シュタルク理事の発 言内容については、ドイツのメルケル首相も同様の見解を示しており、 「材料的に新しくない」としながらも、ユーロの買い戻しにつながっ たとしている。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円台後半を中心に、円が前日の 安値77円29銭から水準を切り上げて推移していたが、午後はクロス・ 円(ドル以外の通貨の対円相場)を中心に円売りが優勢となり、一時 は77円ちょうどを付けている。

スペイン格下げ

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、スペ インの長期ソブリン格付けを「AA」から「AA-」に1段階引き下 げた。同国の銀行資産が悪化する可能性が強いほか、成長見通し悪化 で失業率が高止まりすることを格下げの理由に挙げた。見通しは「ネ ガティブ」としている。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、欧州の銀行 への資本注入に関して、結局は財政を国が負担するということになる ため、財政負担がかかる分、格付けへの影響も当然出てくると指摘。 その上で、「これ以上ユーロを買っていくような状況ではない」との冷 静な見方が戻っていると説明している。

クレディ・スイスの見通しでは、欧州連合(EU)が基準を変更 した新たな銀行ストレステストを実施した場合、大手銀行のうち少な くとも66行が不合格となり、必要な追加資本の額は2200億ユーロ(約 23兆2000億円)に上る可能性があるという。

そうした中、格付け会社フィッチ・レーティングスは13日、ドイ ツ銀行など少なくとも13の金融機関の格付けを引き下げる可能性が あることを明らかにした。その背景として、「これらの金融機関のビジ ネスモデルは金融市場が直面している課題拡大に特に敏感だ」と説明 している。

欧州情勢の混迷続く

事情に詳しい関係者3人が明らかにしたところによると、ドイツ の銀行は今週電話会議を開き、ギリシャ債を50-60%減免する可能性 を協議したという。最終的な比率はまだ確定していない。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)は13日、ルクセンブルクでインタビューに応 じ、ギリシャ国債保有者が21%以上の損失を被る可能性について問わ れると、「現時点では何とも言えない。IIFを含めあらゆるレベルで 協議を進めている最中だ。欧州委員会やユーログループ特別会合の結 果を待つべきだ」と答えた。

13日には、スロバキアで欧州金融安定ファシリティー(EFSF) 拡充案をめぐる再採決が行われ、ユーロ圏参加国全てが同案を可決。 しかし、三菱東京UFJ銀行金融市場部の内田稔シニアアナリストは、 銀行への公的資金注入により、「EFSF債を保証するフランスなど中 核国の財政が悪化すると、EFSF自体の信用低下にもつながりかね ない」と、副作用を懸念する。

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