日本株は輸出中心反落、円高や米銀決算、欧州警戒-オリンパス急落

東京株式相場は反落。為替相場が 円高方向に動き、米大手銀行の減益決算、スペイン格下げなど海外で 警戒材料が重なる中、精密機器や輸送用機器、機械、電機など輸出関 連株中心に売られた。東証1部33業種の下落率トップの精密は、代表 取締役社長の解任を決めたオリンパスの急落が響いた。

TOPIXの終値は前日比10.02ポイント(1.3%)安の748.81、 日経平均株価は同75円29銭(0.9%)安の8747円96銭。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテ ジストによると、「ここ数日上げていたところで、外部要因の悪材料が 重なったことをきっかけに、直近買われた輸出関連株などに利食いが 出た。週末要因の手じまい売りもある」という。欧州債務危機が金融 システム問題に広がるかどうかの瀬戸際を迎える中、「リスクオフ(回 避)モードにある欧米投資家の資金が、日本株からも流出している」 と話していた。

13日のニューヨーク外国為替市場では、前日進んだ円安への動き が一服し、円は主要取引通貨の大半に対し上昇。この流れを受け、東 京時間14日の為替市場では、1ドル=76円台後半、1ユーロ=105 円台後半で推移する時間帯が長く、13日午後3時時点からやや円高方 向に振れた。

米銀2位のJPモルガン・チェースが13日に発表した7-9月 (第3四半期)決算は、投資銀行業務とトレーディングが低迷し、自 社債務の評価替えに伴う19億ドルの会計上の利益を除くと、約33% の減益だった。SMBC日興証券・国際市場分析部の橘田憲和次長は、 「優良な銀行とみられているJPモルガンの決算が減益となったこと はネガティブ材料」と指摘。欧州を中心とした金融市場の混乱が響い ており、他の金融機関の業績不振も連想されてしまうと言う。

グローバル金融機関、スペイン格下げへの警戒も

このほか、格付け会社フィッチ・レーティングスは13日、ドイツ 銀行やゴールドマン・サックス・グループなど少なくとも13の金融機 関の格付けを引き下げる可能性がある、とした。各社のビジネスモデ ルは、金融市場が直面する課題に特に敏感なためという。また、米格 付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日、スペイン の長期ソブリン格付けを「AA」から「AA-」に下げた。成長見通 しへのリスクと銀行のリスクを理由に挙げている。

「欧州で銀行の資本増強が進むことで、金融システム危機は回避 できるとの期待から相場はこのところ上昇してきた」と見るSMBC 日興証の橘田氏は、スペインの格下げで欧州財政・金融問題の根深さ が再び意識されたと指摘。欧州域内の銀行に資本注入する場合、「原資 は欧州諸国が負担する必要があり、欧州財政のさらなる悪化につなが るとの警戒感が再燃してしまっている」と話した。

金融株も軟調、オリンパス暴落

東証1部の売買代金上位では、キヤノンやホンダ、コマツ、トヨ タ自動車、ソニーなど輸出関連株が下落。JPモルガンの決算が嫌気 され、13日の米国株で金融株の下げが目立った流れから、三井住友フ ィナンシャルグループ、野村ホールディングス東京海上ホールディン グスといった金融株も軟調だった。野村証券の若生寿一シニアストラ テジストは、「世界的に金融株の値動きは連動しやすく、日本の金融株 にも逆風」としていた。

暴落の様相を呈したのが、18%安で東証1部の売買代金トップだ ったオリンパス。マイケル・シー・ウッドフォード氏に対する代表取 締役・社長執行役員の解職を決議した、と午前9時30分に発表。他経 営陣との間で経営の方向性などでかい離、意思決定に支障を来す状況 になったといい、わずか半年での社長交代劇に経営混乱を嫌気する売 りが発表後に膨らんだ。

上期業績の下方修正以来、売り圧力が続く住生活グループは3日 続落し、金属製品は東証1部33業種の下落率2位。PC向けDRAM の需要低迷による販売価格下落や円高の影響で、4-9月の純損益が 570億円の赤字(前年同期は399億円の黒字)に転落したもよう、と 午後の取引終盤に発表したエルピーダメモリは急落した。

G20控え値幅狭い、今後SQ値焦点

一方、日経平均の日中値幅はこの日54円と、年初来平均(110円) を大きく下回った。14-15日にフランスのパリで20カ国・地域(G 20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれることから、「欧州財政・金融 問題への対応を見極めたいとのムードが強い」と野村証の若生氏。売 り買いとも積極的な動きは手控えられた。

この日の取引開始時は、株価指数オプション10月限の特別清算値 (SQ)算出だった。大和証券など複数証券の調べによると、日経225 型で8799円42銭と前日の日経平均終値から23円83銭下方水準。こ の日の日経平均終値がSQを下回り、「同水準が今後の戻り高値として 意識される可能性もある」と、みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊 シニアテクニカルアナリストは話している。

東証1部の売買高は概算で15億6172万株、売買代金は1兆1148 億円。値下がり銘柄数が1384、値上がり201。東証1部33業種で下落 したのは精密、金属製品、空運、保険、機械、その他製品、化学、輸 送用機器、銀行など30業種。上昇は石油・石炭製品、不動産、鉱業の 3業種だった。国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.6%安 の49.11、東証マザーズ指数は同1.1%安の407.77とともに6営業日 ぶりに反落。

-- Editor:Shintaro Inkyo

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