債券続落、増発警戒や入札控えて中期債に売り-米債高・株安が下支え

債券相場は小幅続落。前日の米国 市場で株安・債券高となった流れを引き継いで買いが先行したが、そ の後は上値の重い展開となった。増発観測や来週に5年債入札を控え て中期ゾーンに売りが出ると、先物相場は取引終盤に下げに転じた。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは「リスク回避 の動きが徐々に落ち着いており、地合いが悪化している。増発したか らといって、中期債の金利がそれほど上昇するとは思わないが、こう した地合いの中では、重しとなっている」と語った。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比11銭高の142円35銭で 取引を開始し、直後にこの日の高値となる142円36銭を付けた。その 後は伸び悩み。午後の終盤には下げに転じ、結局は5銭安の142円19 銭と、安値引けとなった。

現物債市場では5年債が安い。5年物の99回債利回りは午後に

0.5ベーシスポイント(bp)高い0.375%と2週間ぶり高水準を付けた。 18日実施の5年債入札に向けた売りのほか、今後の増発観測が強まっ ている。

財務省が13日開催した国債市場特別参加者(プライマリーディー ラー)会合では、2011年度第3次補正予算編成に伴う国債増発額は全 体で10兆円程度との見方が示された。出席者からは、年限では2年や 5年債、1年以下で増発可能との声が多く、市中発行額は2兆円台の 増加を予想する見方が中心だった。

この日の午後には主要な機関投資家などで構成する国債投資家懇 談会(座長・吉野直行慶応大学教授)を開催。財務省は早ければ来週 にも予算案と国債発行計画を発表する。

もっとも、中期ゾーンの金利上昇は限定的とみられている。バー クレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは「増 発は吸収余地があるからこそ対象になっているので影響は少ないだろ う。5年債は割安で入札はそれほど悪くないのではないか」と言う。

10年債利回り一時1.005%

長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回りは、前日比

1.5bp低い1.005%で始まった。その後は、徐々に下げ幅を縮め、午後 2時半過ぎからは0.5bp低い1.015%で推移している。

20年物の130回債利回りは0.5bp低い1.725%。朝方は増発懸念 の後退で2日ぶり低水準の1.715%に下げていた。SMBC日興証券 の末沢豪謙金融市場調査部長は「復興国債は当面、中期債を増発する 方向となっており、10年や20年ゾーンが買われ、利回り曲線は若干 平たん化している」と話した。

朝方は米国市場動向を受けて買いが先行した。JPモルガン・ア セット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「海外市場で債券相 場が上昇したことを受けて、現物債は堅調。もっとも欧米経済にやや 強気の見方も出ており、警戒感も強く、伸び悩んでいる」と話した。

13日の米国債相場は上昇。欧州の債務危機が世界経済を脅かすと の懸念が強まり、午後に実施された米30年債入札では強い需要が見ら れた。米株式相場が総じて軟調に推移となったことも支えとなった。 米10年債利回りは3bp低い2.18%程度。米株市場でS&P500種株 価指数は前日比0.3%安の1203.66。

取材協力:船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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