米国債:上昇、欧州懸念で安全志向-30年債入札に旺盛な需要

米国債相場は上昇。欧州の債 務危機が世界経済を脅かすとの懸念が強まり、午後に実施された30 年債入札では強い需要が見られた。

入札結果によると、30年債入札(発行額130億ドル)の最高 落札利回りは3.120%と過去最低。ブルームバーグがプライマリー ディーラー(政府証券公認ディーラー)8社を対象にまとめた予想で は3.166%だった。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.94倍 と、3月以来の最高。過去10回の平均値2.66倍を上回った。連邦 準備制度理事会(FRB)はこの日、オペレーション・ツイスト(ツ イストオペ)の一環で、48億8000万ドル相当の米国債を購入した。

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャ ロン氏は、「非常に需要の強い入札だった。米国債だけでなく広範な 市場がどちらの方向に傾いているかがわかる。つまりリスク離れ、安 全資産への投資だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時23分現在、既発30年債の利回りは前日比5ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げて3.15%。一時は10bp下 げた。同年債価格(表面利率3.75%、償還期限2041年8月)は 31/32上げて111 18/32。

10年債利回りは4bp下げて2.17%。

EUの再ストレステスト

クレディ・スイスはこの日、欧州連合(EU)が基準を変更し た新たな銀行ストレステスト(健全性審査)を実施した場合、大手銀 行のうち少なくとも66行が不合格になる可能性があるとの予想を示 した。これに反応して朝方の米国債は上昇した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が12日公表した連邦公開市 場委員会(FOMC、9月20-21日開催)の議事録によると、一部 参加者は米経済について成長が加速するかどうか「かなりの不透明感」 があると指摘、追加の資産購入を「景気浮揚策の選択肢として温存す るべきだ」と主張した。

カルラ・アントゥネスシルバ氏らクレディ・スイスのアナリス トが13日の顧客向け文書で試算したところによると、不合格となっ た銀行が必要とする追加資本の額は2200億ユーロ(約23兆2000 億円)に上る。

7月15日に結果が発表された欧州銀行監督機構(EBA)の ストレステストでは90行中8行が不合格で資本不足額は25億ユー ロだった。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニ オン(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファ ー・サリバン氏は「欧州はいつか厳しい決断と、具体的な方針を打ち 出す必要がある。そうでなければ、米国債はこの水準でとどまること になるだろう」と述べた。

30年債の入札結果

30年入札では海外の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占め る割合は28.7%と、9月時点の39.4%から低下。過去10回の平 均値は37.9%だった。

モルガン・スタンレーのキャロン氏は、「大半の投資家は、リ スク資産の改善は長くはもたないと考えている。欧州の問題はまだ投 資家心理を暗くしており、米国の経済・財政状況も依然として全般的 に弱い」と述べ、「従って、こうした雰囲気の中で米国債が割安だっ たら買えばよい」と続けた。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直 直接入札の落札比率は29.5%と、2010年3月以来の高水準。前回 の入札時では17.3%。過去10回の平均値は12.2%だった。