NY外為:円が総じて上昇、JPモルガン減益や欧州懸念で逃避

ニューヨーク外国為替市場で は、円が主要取引通貨の大半に対して上昇。米銀JPモルガン・チェ ースの減益決算や欧州の銀行株が下げたことを背景に、資金を円に逃 避させる動きが活発になった。

中国税関総署が13日発表した9月の輸出は市場予想を下回る伸 びとなり、当局は貿易が「厳しい課題」に直面しているとの認識を示 した。これを受けて資源輸出国の通貨は対ドルで下落。ユーロは円に 対してほぼ5週間ぶりの高値から反落した。欧州中央銀行(ECB) はユーロ圏の財政難国の救済で、民間金融機関に損失負担の拡大を強 いれば金融安定へのリスクとなるとの見解を示し、ユーロ売りが膨ら んだ。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジス ト、ジョン・ドイル氏は、「中国発の悪材料と軟調な米欧の株式相場 が円を押し上げた」とし、「相場は株式相場に敏感に反応している。 株がやや持ち直したことでユーロも若干下げを埋めた」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、円はユーロに対して前日比

0.5%高の1ユーロ=105円99銭。前日は107円05銭と、9月9 日以来の水準まで下げていた。ドルはこの日、ユーロに対してほぼ変 わらずの1ユーロ=1.3787ドル。一時0.8%高まで上昇した。円は ドルに対して0.5%高の1ドル=76円86銭となっている。

中国の減速懸念

カナダ・ドルは米ドルに対して0.2%安の1米ドル=1.0192加 ドル。ニューヨーク原油先物相場が3日続落したことが背景にある。 米国ではガソリン需要低迷の兆しがあるほか、中国の原油輸入が減少 しており、世界の2大エネルギー消費国で需要が縮小するとの観測が 強まった。

中国の税関総署の発表によれば、9月の輸出は前年同月比

17.1%増と、市場予想を下回った。貿易黒字は145億1000万ドル (約1兆1200億円)に縮小し、5月以来の低水準となった。最大の 輸出先である欧州への出荷の伸びは同9.8%と大幅に低下した。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリス ト、ジェシカ・ホバーセン氏(ニューヨーク在勤)は「市場は減速よ り安定を求め、中国の統計が外需の強さを示して欲しいと願っていた」 とし、「経済指標は明らかに減速を示している。リセッション(景気 後退)に逆戻りするのか、何とか切り抜けられるのか市場は見極めよ うとしている」と説明した。

欧州銀の損失

ECBは13日公表した10月の月報で、民間部門関与(PSI) が「問題の国の銀行やその他民間金融機関の支払い能力に大きな負担 をもたらすことは確実だが、ユーロ圏の他の諸国の銀行のバランスシ ートにも影響する」と分析した。

ドイツの銀行は、保有するギリシャ国債を最大60%減免する方 向で準備を進めている。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。

政策当局者らが銀行の増資策を模索する中、ブルームバーグ欧州 銀行金融サービス株指数(46銘柄で構成)は最大3.3%下落し、年 初来の下げを29%に拡大した。

INGグループの通貨取引ディレクター、ジョン・マッカーシー 氏(ニューヨーク在勤)は「大型増資の憶測が飛び交う中、銀行株が 売り込まれた。この事実は、問題が何も解決されておらずユーロは上 値を伸ばす余地がほとんどないことを示している」と指摘。「JPモ ルガンはある意味、米国で最も強力な金融機関だ。それが市場予想を 下回る決算となったのは、他の金融機関にとって悪い兆候だ」と述べ た。

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