今日の国内市況:株式は反発、債券下落-ユーロ1カ月ぶり高値付近

東京株式相場は反発。欧州債務危 機の収束に向けた政策対応が進むとの期待が広がる中、前日の海外為 替市場でおよそ1カ月ぶりの円安が進み、採算悪化懸念の後退で電機 や機械など輸出関連株が買われた。証券や銀行株のほか、首都圏マン ション発売の増勢を受け不動産株も高い。

TOPIXの終値は前日比5.39ポイント(0.7%)高の758.83、 日経平均株価は同84円35銭(1%)高の8823円25銭。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長 は12日、欧州議会で演説し、域内銀行の資本強化とギリシャ融資第6 弾の実行、恒久的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム(ESM) の発足前倒しを求める包括的な工程表を発表。一方、11日に救済基金 である欧州金融安定化基金(EFSF)の拡充案を議会が否決したス ロバキアでは、与野党が2回目の採決実施で合意し、ユーロ圏の全17 カ国が基金拡充を批准するめどが立った。

欧州債務危機が沈静化に向かうとの期待から、外国為替市場では ユーロが買われ、前日の海外市場で円が対ユーロで一時107円台と、 約1カ月ぶりの円安水準を付けた。円は対ドルでも77円台前半と円高 修正の動きとなっており、電機や機械、自動車といった輸出関連株に は終日、収益懸念の後退を受けて買いが優勢だった。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE) のボラティリティ指数(VIX指数)は12日の取引で7営業日続落し、

31.26と9月16日以来の低水準となっている。12日の米S&P500種 株価指数は前日比1%高、ストックス欧州600指数は1.7%高だった。

連日で上げた機械株は、9月の工作機械受注が前年同月比20%増 となるなど堅調な統計内容も支援材料。コマツは5連騰で、東証1部 の売買代金トップ。ツガミやオークマ、マキタなども高い。

このほか、アドバンテストやディスコ、エルピーダメモリ、信越 化学工業など半導体関連株も上昇。欧州最大の半導体製造装置メーカ ー、オランダのASMLホールディングは、10-12月期(第4四半期) の受注が7-9月期を上回る見込みとしており、業界の収益環境が上 向くことを期待した買いが広がった。

東証1部の売買高は概算で15億7851万株、売買代金は1兆54 億円。値上がり銘柄数が855、値下がり667。東証1部33業種で上昇 したのは証券・商品先物取引、非鉄金属、不動産、機械、その他製品、 電機、化学、鉄鋼、ガラス・土石製品、海運など18業種。半面、電気・ ガスやパルプ・紙、陸運、医薬品など景気変動の影響を受けにくいデ ィフェンシブ関連を中心に14業種が安い。その他金融は変わらず。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.4%高の49.38、東 証マザーズ指数は同0.7%高の412.09とともに5日続伸。

債券下落、先物1カ月ぶり安値

債券相場は下落し、先物は一時約1カ月ぶりの安値を付けた。前 日の米国市場で、欧州債務懸念が和らぎ、債券安・株高となった流れ を継続して売りが先行した。この日実施の30年債入札は無難な結果と なったものの、販売に時間がかかるとの見方が広がり、先物中心にヘ ッジ売りなどが膨らんだ。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比13銭安の142円35 銭で始まり、午前は142円20銭台中心に推移した。午後に入ると一段 安となり、1時半過ぎには142円13銭と、中心限月の日中ベースで9 月1日以来の安値を記録。結局は24銭安の142円24銭で引けた。

先物が午後に下げ幅を拡大させたことについて、30年債入札に関 連した売りなどが膨らんだためとの見方が出ていた。

現物債市場では超長期債が安い。30年物の35回債利回りは一時 3ベーシスポイント(bp)高い1.94%と1カ月ぶり高水準を付けた。20 年物の130回債利回りは3.5bp高い1.735%と9月21日以来の水準ま で上昇した。

財務省がこの日実施した30年利付国債(35回債、10月発行)の 入札結果によると、最低落札価格は101円05銭となり、事前予想(101 円00銭)を上回った。一方、小さければ好調とされるテール(最低と 平均価格との差)は11銭となり、前回の8銭からやや拡大。応札倍率 は3.27倍と前回の3.55倍から低下した。

現物債市場では、日本相互証券がシステム障害の影響で午前の現 物債取引を見送っていたが、午後の通常取引時間の零時25分から再開 した。システムが復旧したことによる。現物債取引の停止は、東日本 大震災が発生した3月11日以来。

長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回りは、午後零 時30分にようやく前日比2bp高い1.015%で始まった。午後1時半過 ぎには2.5bp高い1.02%と、新発10年債として3日以来の高水準を 付けた。その後は1.015%で推移している。

ユーロが1カ月ぶり高値付近

東京外国為替市場では、ユーロが約1カ月ぶり高値付近で推移し た。欧州当局による債務危機克服への取り組みを手掛かりとしたユー ロの買い戻しが一服。先行きに対する警戒感がくすぶるなか、ユーロ は伸び悩む展開となった。

午後3時47分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3783ドル 前後。午前には1.3768ドルまで弱含んだ後、午後には1.3815ドルま で値を戻す場面も見られたが、前日の海外市場で付けた9月16日以来 のユーロ高値(1.3834ドル)には届かなかった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で1ユーロ=107円05銭と9月 9日以来の水準までユーロ高が進行。その後伸び悩み、この日の東京 市場では106円12銭まで値を切り下げる場面が見られた。

一方、ドル・円相場は米債利回りの上昇を背景に海外時間に一時、 9月12日以来の水準となる1ドル=77円49銭までドル高・円安が進 んだが、国内輸出企業の円買い意欲などが指摘されるなか、東京市場 では77円ちょうど付近まで円がじり高となった。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ブルク首相兼国庫相)は13日にルクセンブルクで、欧州連合(EU) の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)と会談 する。同議長はその後ブリュッセルでファンロンパイEU大統領と会 い、続いてギリシャのパパンドレウ首相と会談を予定している。会談 はいずれもユーロ圏財務相会合とEU首脳会議に向けた準備に焦点を 絞ったものになるという。

前日には欧州委員会のバローゾ委員長が域内債務危機への包括的 解決策を発表。危機に見舞われた域内銀行の資本強化とギリシャ融資 第6弾の実行、恒久的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム(E SM)の発足前倒しを呼び掛けた。

また、11日に救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EF SF)の拡充案を議会が否決したスロバキアでは、与野党が2回目の 採決実施で合意。2回目の採決は遅くとも14日までに行われる予定で、 ユーロ圏の全17カ国が基金拡充を批准するめどが立った。