IMF:欧州危機はアジアに重大なリスク、韓国や日本の銀行に影響も

国際通貨基金(IMF)は、欧 州債務危機の悪化がアジアで資産の一斉売りや外国銀行による現地借 り手への貸し渋り、外国為替市場の混乱を引き起こす恐れがあるとの 見解を示した。

IMFは13日公表した報告書で、アジアの経済成長率が4-6 月(第2四半期)以降減速したと指摘し、今年の成長率見通しを

6.3%と従来予想の6.8%から下方修正した。域内の大半の国・地域 でインフレ圧力は引き続き高く金融政策は依然、緩和的だとの認識も 示した。

IMFは「ユーロ圏の金融不安定の悪化と米経済の新たな減速は アジアにマクロ経済と金融面で重大な影響を及ぼし得る」とし、「先 進国・地域の投資家は2009年以来アジア市場で相当大きなポジショ ンを積み上げてきた。これらのポジションが突然解消された場合、信 頼を喪失させ、悪影響が債券と株式から外国為替およびその他の市場 へと広がりかねない」と分析した。

MSCIアジア太平洋指数は第3四半期に16%下落した。IMF は域内の「パニック売り」は先進国の混乱から「逃れられる場所はな い」ことを示したと指摘した。

外国の銀行は自国の市場で大規模な損失を被った場合、アジア地 域の資産を売却したり与信枠を引き揚げたり、満期を迎えた融資のロ ールオーバーを拒否する可能性があると分析。その場合「欧州と米国 の銀行に対するエクスポージャーの大きいアジアの国や地域に相当大 きな影響を及ぼす恐れがある」との見解を示した。

さらに、「キャリートレードのポジションが解消された場合、影 響はアジアの外為市場にも広がり得る。2008年に起こったようなクロ ス通貨スワップ市場での流動性の枯渇は特に大きな混乱をもたらし、 銀行の資金調達に波及しかねない。韓国と日本を中心に、多くの銀行 がドル資産の調達や規制順守のためにこの市場に依存しているためだ」 と解説した。

IMFはまた、アジアの政策当局は成長に対するリスクへの対応 とインフレの影響抑制の間で「微妙なバランス」を求められていると 指摘。総合的なインフレは2011年7-12月(下期)をピークに12 年には「緩やかに」低下するものの、多くの国で目標レンジは上回っ て推移すると予想した。

12年の成長率は6.7%との見通しを示し、4月時点の予想 (6.9%)から引き下げた。

中国やインド、韓国など「過熱圧力がなお高い国ではインフレ率 が引き続き目標を上回り、インフレ期待の上昇も続いている。それら の国での現行の金融引き締めペースは依然として適切だ」との見解を 示した。

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