ユーロが1カ月ぶり高値付近、債務問題への警戒くすぶり伸び悩む

東京外国為替市場では、ユーロ が約1カ月ぶり高値付近で推移した。欧州当局による債務危機克服への 取り組みを手掛かりとしたユーロの買い戻しが一服。先行きに対する警 戒感がくすぶるなか、ユーロは伸び悩む展開となった。

午後3時47分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3783ドル 前後。午前には1.3768ドルまで弱含んだ後、午後には1.3815ドルま で値を戻す場面も見られたが、前日の海外市場で付けた9月16日以来 のユーロ高値(1.3834ドル)には届かなかった。

みずほコーポレート銀行国際為替部の宮地崇調査役は、ユーロの売 り持ちがかなり溜まっていたという部分があり、ユーロの上昇は持ち高 調整の側面が強いと指摘。実際、欧州債務問題をめぐる状況が変わった わけではなく、「具体策というよりは期待感が先行している感が否めな い」とし、持ち高調整の動きが落ち着けば「ユーロはやはりキャップさ れてしまうのではないか」と語った。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で1ユーロ=107円05銭と9月 9日以来の水準までユーロ高が進行。その後伸び悩み、この日の東京市 場では106円12銭まで値を切り下げる場面が見られた。

一方、ドル・円相場は米債利回りの上昇を背景に海外時間に一時、 9月12日以来の水準となる1ドル=77円49銭までドル高・円安が進 んだが、国内輸出企業の円買い意欲などが指摘されるなか、東京市場で は77円ちょうど付近まで円がじり高となった。

包括的解決策

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセブ ルク首相兼国庫相)は13日にルクセンブルクで、欧州連合(EU)の 行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)と会談する 。同議長はその後ブリュッセルでファンロンパイEU大統領と会い、続 いてギリシャのパパンドレウ首相と会談を予定している。会談はいずれ もユーロ圏財務相会合とEU首脳会議に向けた準備に焦点を絞ったもの になるという。

前日には欧州委員会のバローゾ委員長が域内債務危機への包括的解 決策を発表。危機に見舞われた域内銀行の資本強化とギリシャ融資第6 弾の実行、恒久的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム(ESM) の発足前倒しを呼び掛けた。

また、11日に救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EF SF)の拡充案を議会が否決したスロバキアでは、与野党が2回目の採 決実施で合意。2回目の採決は遅くとも14日までに行われる予定で、 ユーロ圏の全17カ国が基金拡充を批准するめどが立った。

欧州債務危機の拡大阻止に向けた取り組みが進み始めているとの見 方から、前日の欧米株式相場は上昇。13日のアジア株式相場もおおむ ねプラス圏で推移した。

三菱東京UFJ銀行金融市場部の内田稔シニアアナリストは、ユー ロの売り持ちがかなり積み上がっていたため、「デクシアの問題にして も、銀行の資本注入の方向にしても、比較的進んでいるようには映るの で、持ち高調整のきっかけには十分なった」と指摘。ただ「先々どうか というところはまだ非常に不透明なままで、依然として警戒が必要な状 況は変わっていない」とし、「ここからはまた追加の材料待ちというこ とになる」と話していた。

豪ドルが3週ぶり高値

豪統計局が発表した9月の雇用統計によると、雇用者数は前月比2 万400人増加し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 調査の予想中央値(1万人増)の2倍強の伸びとなった。また、9月の 失業率は5.2%と3月以降、初めて前月(5.3%)から低下した。

雇用統計の結果を受け、オーストラリア・ドルは対ドルで一時、1 豪ドル=1.0233米ドルまで上昇し、9月21日以来の高値を更新。対 円でも海外時間に付けた同19日以来の高値付近まで値を切り上げる場 面が見られた。

一方、中国が発表した9月の貿易黒字はエコノミスト予想を下回り 、5月以来の低水準となった。輸出は7カ月ぶりの低い伸び。当局は、 人民元相場の上昇と先進国の信頼感低下で、貿易は「厳しい課題」に直 面しているとの認識を示した。