日銀9月議事要旨:さらなる金融緩和が必要となる可能性も

日本銀行は13日午前、9月6、 7日に開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、 複数の委員が、景気の下振れリスクがなお高いとした上で、「事態の展 開によっては、先行きさらなる金融緩和が必要となる可能性もある」 と述べていたことが分かった。

何人かの委員は、ギリシャに対する第2次支援策の遅れが嫌気さ れて、財政健全化をめぐる懸念が強い諸国の国債価格が大幅に下落し ている中、これらの国債を多く保有している欧州系金融機関を中心に ドル資金調達コストが上昇しているほか、株価が下落していると指摘。 「欧州の金融システム全体に対する不安が強まっている」と述べた。

野村証券の木内登英チーフエコノミストは「10月27日の決定会 合で追加緩和の可能性がないわけではないが、海外経済や為替相場の 動向が落ち着いていれば、可能性は低下する」とみる。もっとも、「海 外情勢の展開次第で、臨時会合も含めていつでも追加緩和があり得る。 年内に、場合によっては複数回あるかもしれない」としている。

9月6、7日の会合では、多くの委員は米国経済について、バラ ンスシート調整圧力が引き続き経済の重石となっている下で、財政面 や金融面からの景気てこ入れ余地が限定的なことから、「景気減速は長 引く可能性がある」と指摘。その上で、委員は「海外経済の先行きを めぐる下振れリスクが幾分高まっている」との認識で一致した。

不安定な状態はなかなか解消しない

委員は「米欧の債務問題に対する懸念などから投資家のリスク回 避姿勢が強まる中、米欧経済の先行きに対する見方や米国金融政策を 巡る思惑などを反映して、振れの大きい不安定な状態となっている」 との認識を共有。複数の委員は「国際金融資本市場の不安定な状態は なかなか解消しないがい然性が高い」との懸念を示した。

多くの委員は「足元では、とりわけ欧州ソブリンリスク問題が世 界経済、ひいては日本経済を下押しするリスクが高まっている」と指 摘。複数の委員は「自動車関連での震災による販売の落ち込みを取り 戻すための増産の動きに関して、海外需要を過大に見積もっている恐 れがあり、その結果として在庫が積み上がるリスクがある」と述べた。

こうした議論を受けて、追加緩和の可能性に言及する委員が複数 いた一方で、1人の委員は「金融緩和の一段の強化が市場の流動性低 下や金融機関の収益機会の縮小などを通じて、かえって金融システム を不安定化させたり、金融政策の効果浸透を阻害したりすることがな いよう、十分に配慮する必要がある」と述べた。

日銀は同日の決定会合で、政策金利は0-0.1%に維持。資産買い 入れ等基金は、金融資産買い入れが「15兆円」、固定金利方式の共通 担保オペが「35兆円」の計「50兆円」に据え置いた。