米国株:上昇、欧州の危機対応策で-FOMC議事録も支援材料

米株式相場は上昇。ダウ工業 株30種平均は年初来の下げを埋める場面もあった。欧州委員会が債 務危機の収束に向けた工程表を発表したことを手掛かりに買いが入っ た。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も支援材料。追加の資 産購入について協議されたことが明らかになった。

S&P500種株価指数の業種別10種では金融株と資本財株の上 げが目立った。欧州金融株の上昇につれ、JPモルガン・チェースと バンク・オブ・アメリカ(BOA)が上昇。ゼネラル・エレクトリッ ク(GE)や3Mなど景気敏感株も高い。利益が予想を上回ったペプ シコは2.9%高。

S&P500種株価指数は前日比1%高の1207.25。一時は

2.1%上昇した。ダウ平均は102.55ドル(0.9%)高の11518.85 ドルで終了。年初からは0.5%安。

アクシオム・キャピタル・マネジメント(ニューヨーク)のリア ム・ダルトン最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで「市場 は下落基調に戻りたくないようだ」と述べた。「欧州の問題は解決の 可能性が高まった。企業業績は比較的良好になりそうだ。多くの強弱 材料が混在しそうだが、相場の大きな下げはないというのが当社の描 くシナリオだ」と続けた。

ダウ平均は10月3日に付けた終値ベースでの年初来安値から

8.1%戻している。欧州首脳が域内の債務危機を沈静化するとの楽観 や米経済指標の改善が背景にある。その前には4月29日に付けた年 初来高値から最大で17%下げていた。欧州の危機で景気が減速する との懸念が重しとなっていた。

「勝利宣言はまだ早い」

S&P500種は過去7日間で9.8%上昇し、同期間としては 2009年3月以来の大幅高となった。ただ、8月5日以降は

1074.77と1230.71の間で推移しており、現在の上昇局面でもこ のレンジからは抜け出していない。ギリシャがデフォルト(債務不履 行)に陥るとの憶測からリスク資産への投資が手控えられている。

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投 資責任者(CIO)は電話インタビューで「欧州にとって最悪のシナ リオは恐らく回避されただろう。問題はどのような措置が講じられる にしろ、それで十分かどうかだ。勝利宣言する段階だとは思えない」 と述べた。

欧州委員会

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長 は、危機に見舞われた域内銀行の資本強化とギリシャ融資第6弾の実 行、恒久的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム(ESM)の発 足前倒しを呼び掛けた。これをきっかけに世界的な株高となった。同 委員長は声明で、「最も質の高い資本で構成する自己資本の比率の相 当大きな引き上げ」を実現するための「協調したアプローチ」を呼び 掛けた。

米連邦準備制度理事会(FRB)が12日公表したFOMC(9 月20-21日開催)の議事録によると、一部参加者は追加の資産購入 を「景気浮揚策の選択肢として温存するべきだ」と主張。米経済につ いては、成長が加速するかどうか「かなりの不透明感」があると指摘 した。

ルーミス・セイルズ(ボストン)の大型バリュー株担当の最高投 資責任者(CIO)、ウォーレン・クーンツ氏は電話インタビューで 「リセッション(景気後退)は恐らく回避すると考えている」と発言。 「経済成長がセンチメントやこれまでの株価が示唆していたほど悪く ないことが分かると、相場は底を形成するのではないだろうか」と語 った。