10月12日の米国マーケットサマリー:株上昇、入札不調で国債下落

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3794 1.3640 ドル/円 77.31 76.65 ユーロ/円 106.63 104.55

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,518.85 +102.55 +.9% S&P500種 1,207.25 +11.71 +1.0% ナスダック総合指数 2,604.73 +21.70 +.8%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .28% -.02 米国債10年物 2.21% +.06 米国債30年物 3.19% +.09

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,682.60 +21.60 +1.30% 原油先物 (ドル/バレル) 85.02 -.79 -.92%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルと円に対して3週 間ぶり高値に上昇した。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員 会のバローゾ委員長が域内銀行の資本増強では「協調したアプローチ」 が必要だと呼び掛けたことが背景。

ユーロ圏17カ国で欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の 拡充案を唯一承認していないスロバキアでは前日、同案が否決された が、この日は与野党が批准へ向けた再採決の実施で合意した。これを 受けてユーロは上値を伸ばした。ニュージーランド・ドルは米ドルに 対して2カ月ぶりの大幅上昇となった。株と商品相場の上昇を背景に、 高利回り通貨が上げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の 公表を前に米ドルは主要取引通貨の大半に対して下げた。

バークレイズ・キャピタルの通貨ストラテジスト、アループ・チ ャタジー氏(ニューヨーク在勤)は、「建設的な提案は好材料として、 かなり市場に織り込まれた」と指摘。「期待に行動が伴うかという問 題が残る。ユーロがこの水準近辺に留まるとすると、欧州の政治当局 者にとって緊急性は低くなる」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時33分現在、ユーロはドルに対して前 日比1.3%高の1ユーロ=1.3815ドル。一時1.3834ドルまで上 昇し、9月16日以来の高値を付けた。円に対しては2.3%上げて1 ユーロ=106円90銭。一時107円5銭と、9月9日以来の水準に 達した。ドルは円に対して1%上昇し1ドル=77円39銭。9月12 日以来の高値を付ける場面も見られた。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。ダウ工業株30種平均は年初来の下げを埋め る場面もあった。欧州委員会が債務危機の収束に向けた工程表を発表 したことを手掛かりに買いが入った。米連邦公開市場委員会(FOM C)議事録も支援材料。追加の資産購入について協議されたことが明 らかになった。

ニューヨーク時間午後4時時点の暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比1%高の1207.25。一時は2.1%上昇した。ダウ平 均は102.55ドル(0.9%)高の11518.85ドルで終了。年初から は0.5%安。

スタイフェル・ニコラウスのマネーマネジャー、チャド・モーガ ンランダー氏は電話インタビューで「相場は大きく上昇するだろう」 と発言。「不透明感が晴れるにつれ、市場心理が変化しつつある。当 局者は不安心理が支配する取引に歯止めをかける適切な措置をとって おり、株式相場と信用市場の改善につながるだろう。今のうちに準備 しておこう。かなりの上昇局面になるだろう」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は下落。10年債利回りは6週ぶり高水準をつけた。 欧州当局者が域内の債務危機を収束させるとの楽観が広がり、安全逃 避先としての米国債の魅力が減退した。午後に実施された10年債の 入札では需要が前回を下回った。

米財務省が実施した10年債入札(発行額210億ドル)の結果 によると、最高落札利回りは2.271%と、プライマリーディーラー (政府証券公認ディーラー)8社を対象にまとめた予想(2.231%) を上回った。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.86倍と、 2010年11月以来の低水準だった。欧州連合(EU)はこの日、域 内債務危機への包括的解決策を示した。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチ ーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「需要の低さは米国債 の売り浴びせが加速していることを示しており、資金がリスク資産に 流れていることを浮き彫りにした」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後2時12分現在、10年債利回りは前日比11ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.26%。一時は2.27%と、9月 1日以来の高水準だった。

30年債利回りは14bp上げて3.24%。一時は9月20日以来 で最高となる3.25%をつけた。30年債は2007年5月以来で最長 の6日続落。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反発。一時は2週間ぶりの高値に上昇 した。欧州の当局者が債務危機を収束させるとの楽観が広がり、株式 や商品が値上がりしたことが背景。

MSCIオールカントリー世界指数(ACWI)は2%高。商品 24銘柄で構成するS&PのGSCI指数は6カ月で最長の連続高と なる見通しだ。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレー ン委員(経済・通貨担当)は欧州債務危機の解決に向けたコンセンサ スが形成されつつあると述べた。スロバキアでは前日、議会が欧州の 救済基金拡充案を否決したが、この日は2回目の採決に向け準備が進 められている。

ヘレウス・プレシャス・マネジメント(ニューヨーク)のトレー ダー、フレッド・シェーンスタイン氏は「リスク選好の回復がみられ る」と指摘。「欧州は解決策を見いだそうと取り組んでいる」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.3%高の1オンス=1682.60ドルで終了。一時 は1693.90ドルと、中心限月としては先月23日以来の高値を付け た。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反落。国際エネルギー機関(IEA) が2012年の世界の石油需要見通しを下方修正したことを背景に、6 営業日ぶりに下落した。ロンドンの北海ブレントとの価格差は拡大し た。

前日までの原油市場は今年最長の連続高を記録していた。IEA は同需要見通しを日量21万バレル引き下げたほか、リビアの生産が 年末までに日量60万バレルに回復するとの見方を示した。一方でロ ンドン市場の北海ブレント原油相場は上昇した。欧州の債務危機が解 決されるとの観測や、駐米サウジアラビア大使の殺害計画にイランが 関与していたと米国が指摘したことが手掛かりとなった。

サミット・エナジー・サービシズ(ケンタッキー州)の商品アナ リスト、マット・スミス氏は「IEAは需要見通しを引き下げ、リビ アの生産が予想よりも改善するとの見通しを示した」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比0.28%安の1バレル=85.57ドルで終了。4日以来の下落とな った。年初からは6.4%の値下がり。

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