米国債:下落、10年債入札低調-欧州危機収束への期待高まる

米国債相場は下落。10年債 利回りは6週ぶり高水準をつけた。欧州当局者が域内の債務危機を 収束させるとの楽観が広がり、安全逃避先としての米国債の魅力が 減退した。

月間ベースでは、これまでのところ年初来で最悪のパフォーマ ンス。リスク資産への投資意欲が高まっているのが背景だ。米財務 省が実施した10年債入札(発行額210億ドル)の結果によると、 投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.86倍と、2010年11月以 来の低水準だった。欧州連合(EU)はこの日、域内債務危機への 包括的解決策を示した。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチ ーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「需要の低さは米国 債の売り浴びせが加速していることを示しており、資金がリスク資 産に流れていることを浮き彫りにした」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク 時間午後3時55分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の2.21%。一時は2.27%と、9 月1日以来の高水準だった。同年債価格(表面利率2.125%、償還 期限2021年8月)は18/32下げて99 7/32だった。

30年債は6日続落

30年債利回りは10bp上げて3.20%。一時は9月20日以 来で最高となる3.25%をつけた。30年債は2007年5月以来で最 長の6日続落。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、米 国債リターンは今月に入り0.97%マイナスとなっている。

30年債利回りは、米雇用統計発表前日の6日からこれまでに25 bp上昇した。米労働省の発表によると、9月の雇用統計によると、 非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比10万3000 人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央 値を上回った。

入札結果によると、最高落札利回りは2.271%と、プライマリ ーディーラー(政府証券公認ディーラー)8社を対象にまとめた予 想(2.231%)を上回った。前回9月13日の10年債入札の最高落 札利回りは2%だった。

落札全体に占める海外の中央銀行を含む間接入札は、35%と、 2010年2月以来の最低。直接入札は6.4%と、過去10回の平均値 (10.6%)を下回った。

米財務省は前日に3年債入札(320億ドル)を実施、13日は 30年債(130億ドル)の入札を実施する。

EUが協調アプローチ

EUの行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は、危機に 見舞われた域内銀行の資本強化とギリシャ融資第6弾の実行、恒久 的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム(ESM)の発足前倒 しを呼び掛けた。

バローゾ委員長は声明で、「最も質の高い資本で構成する自己 資本の比率の相当大きな引き上げ」を実現するための「協調したア プローチ」を呼び掛けた。公的資金注入の可能性については最後の 手段との見解を示した。

FOMC議事録

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員 会(FOMC、9月20-21日開催)の議事録で、一部参加者が追 加資産購入を「景気浮揚策の選択肢として温存するべきだ」と主張 していたことが明らかになった。米国債は議事録発表後も軟調に推 移した。

議事録では、4000億ドルの保有米国債の平均残存期間を長期 化する方針、いわゆるオペレーション・ツイスト(ツイストオペ) の決定に至る政策当局者の議論が記されている。

バーナンキFRB議長は先週、ツイストオペについて、景気回 復と失業率引き下げに向け「重要な一歩ではあるが、状況を一変さ せるような措置ではない」と発言した。