EU:銀行の自己資本比率大幅引き上げを、配当とボーナス制限も提案

欧州連合(EU)の行政執行機 関、欧州委員会は、危機に見舞われた域内銀行の資本強化とギリシャ 融資第6弾の実行、恒久的な救済枠組みとなる欧州安定化メカニズム (ESM)の発足前倒しを呼び掛けた。欧州委のバローゾ委員長が12 日、域内債務危機への包括的解決策を示した。

バローゾ委員長は声明で、「最も質の高い資本で構成する自己資 本の比率の相当大きな引き上げ」を実現するための「協調したアプロ ーチ」を呼び掛けた。公的資金注入の可能性を排除しない一方、その ような支援を必要とした銀行には配当とボーナスの支払いを禁止する 考えも示した。

委員長は「危機のさまざまな側面に対する後手後手で小出しの対 応はもはや十分ではない」とし、「先手を打たなければならない」と 訴えた。

決定的な危機打開策を打ち出す期限として、今月23日に欧州の 首脳会議が迫っている。

バローゾ委員長はドイツの主張をくみ、「システム上重要な」銀 行はまず市場からの資本調達、次に自国政府による支援に頼り、欧州 の救済基金の活用はその後に最後の手段としてのみ可能だと論じた。

EUの銀行監督機関である欧州銀行監督機構(EBA)は、域内 の銀行に対し自己資本比率9%を求める可能性があると、事情に詳し い関係者が明らかにした。ソブリン債からの損失を吸収するため、前 回のストレステスト(健全性審査)時の合否ラインだった5%から引 き上げるとみられる。

バローゾ委員長はまた、欧州が4400億ユーロ(約47兆円)規 模の暫定的な救済基金、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の 効力を高める必要があるとの考えも示した。委員長は「EFSFは防 火壁以上のものにならなければならない。本物の弾薬が必要だ。その 能力を最大化しなければならない」と語った。

さらに、恒久的なESMを計画よりも早い2012年半ばまでに設 立することもあらためて呼び掛けた。

ユーロ圏の経済管理強化については、各国の予算策定にEUの中 央機関が関与する権限を高めることを中心に据えた。