タイ洪水、日系の自動車・電機各社の生産直撃-浸水や部品調達難

タイの洪水を受け、日系の自動車・ 電機メーカーで現地工場の操業停止が相次いでいる。部品調達難や浸 水被害のため。主要各社は新興国市場の生産・販売強化や円高対応な どでタイの拠点化を進めてきたが、今後の洪水の動向や部品会社など の被災状況次第では生産への影響が長引く可能性もある。トヨタ自動 車は他国からの部品輸送を検討し始めた。

日本貿易振興機構(JETRO)は11日付のバンコク事務所の情 報として、タイで洪水被害が全国に広がっており、バンコクから北へ 約70キロメートルのアユタヤ県で、多数の日系企業が拠点を置くサハ ラタナナコン工業団地やロジャナ工業団地でも冠水して操業停止にな っているとしている。今後も大雨などで河川の増水は続く見通しで、 予断を許さない状況という。

キヤノンは6日午後、安全確保のためインクジェットプリンター 工場の操業を停止。広報担当の藤森寛朋氏によると、14日まで停止す る。ニコンも6日から、一眼レフと交換レンズの製造最大拠点の現地 工場を停止させている。パナソニック電工も現地2工場の操業を停止。 うち、配線器具などのロジャナ工場については、付近の発電所も水没 し、復旧には時間を要するという。

日立製作所グループでも、日立金属と、全額出資の家電子会社が 7日に計3拠点で生産を停止。これらではハードディスクドライブ(H DD)部品や冷蔵庫用コンプレッサーなどを生産している。日立広報 担当の泉澤雄一氏は、被害状況を精査中で復旧のめどは立っていない としている。

生産停止の拠点が拡大

ソニーも11日、部品調達難や従業員の安全確保のため、デジカメ やレンズの工場の操業を停止し、14日まで続ける。東芝も11日、H DDやソリッド・ステート・ドライブ(SSD)など2拠点の生産を 止め、12日には生産停止を計8拠点に拡大したことを、広報担当の平 木香織氏が明らかにした。

ホンダはタイで四輪車工場が浸水被害で生産を停止している。四 輪車生産への影響は4-8日で4500台になると、広報担当の内田智子 氏が明らかにした。また、二輪車や汎用機の工場でも、11日に水が入 らないようにする対策を実施したことや、部品調達問題などで生産を 止めたが、今後の対応は未定という。

トヨタ自動車は、被災した部品メーカーから供給が滞っているタ イの3工場で10-15日の操業を停止、17日以降については状況をみ て判断すると発表した。この3工場には現在、洪水の直接の被害は出 ていないという。また、トヨタはタイに向けて他国から部品の輸送を 検討していることを、広報担当の富田あみこ氏が明らかにした。

来週以降は今後判断

いすゞ自動車はタイの2工場について、部品調達に支障が出てい るため、11日午後から操業を止め、今週いっぱい停止の予定。広報担 当の村角浩明氏は、来週以降については今後判断するという。

三菱自動車は現地工場を13日の夜勤から15日の夜勤まで操業停 止にする。影響台数は1500台。広報担当の地引繁氏は、一部の取引先 から部品供給が停止しているためと述べた。

一方、新型「マーチ」をタイから日本へ逆輸入している日産自動 車では、タイ工場について、洪水の被害地域になく、現時点では通常 通り操業しているという。広報担当の井下寿丈氏は、部品供給の動向 などを注視していくとコメントした。

タイ工業連盟の自動車部会は、過去50年余りで最悪の洪水を理由 に、今年の自動車生産台数の見通しを下方修正する可能性がある。同 部会の広報担当、スラポン・パイシトパトナポン氏は12日、バンコク から電話取材に応じ、従来の180万台から生産見通しを引き下げる必 要があるだろうと語った。新たな予想値は示さなかった。

--取材協力:山口祐輝、天野高志、Suttinee Yuvejwattana

Editors:Hideki Asai、Yoshinori Eki

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