タイの洪水被害、首都に拡大の恐れ-日系工場でも操業停止広がる

タイのキティラット副首相兼商 業相は11日、同国を襲っている過去50年余りで最悪の洪水の被害 が今週中にも首都バンコクに拡大する可能性があるとして、住民に備 えを呼び掛けた。

同副首相はバンコクで記者団に対し、「われわれは危機のさなか にあることを認めなければならない」と発言。「全ての人が油断せず、 準備を整える必要がある。いざという時の行動と避難先とを考えてお くべきだ」と語った。

この2カ月間で77県のうち60県が洪水被害に見舞われ、ホン ダやキヤノンの工場も浸水。全国の稲作農地の10%超が甚大な被害 を受けた。タイ財務省は今週、今年の同国成長率見通しを従来の4% から3.7%に引き下げるとともに、洪水による損害額は1200億バー ツ(約3000億円)に達する可能性があることを明らかにした。

インラック首相はバンコクへの被害拡大阻止に向け、満潮となる 17日までに3つの堤防と5つの運河を増設するよう指示した。同首 相は「われわれはあきらめない。何もしないよりは良いのだから、で きることは全て行う」と語った。

バンコク市内の一部のスーパーマーケットではコメや麺類などの 乾物が売り切れとなり、市当局は消費者に買いだめを控えるよう呼び 掛けた。

タイの災害予防軽減局によると、7月25日から現在までの洪水 による死者は計269人で、820万人に影響が及んでいる。

トヨタ、ホンダにも影響

日本企業が多く進出するアユタヤ県の工業団地は、洪水で操業停 止を余儀なくされている。ホンダ現地法人の幹部が今週明らかにした ところによると、工業団地内のホンダ生産工場で乗用車数百台が浸水 被害を受けた。同工場の年間生産台数は最大24万台。

トヨタ自動車の広報担当、富田あみこ氏が11日に明らかにした ところによれば、同社はタイ国内の3工場の操業を停止した。

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