ユーロ反発、株下げ渋りで持ち直す-朝方売り先行、ドル円小動き

東京外国為替市場では、ユーロ が午後の取引で反発に転じた。スロバキア議会による欧州金融安定ファ シリティー(EFSF)機能拡充案否決などを受け、朝方は売りが先行 したものの、株価が下げ渋ったこともあり、午後にかけてはじりじりと 値を切り上げる展開となった。

午後4時21分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.3650ドル 前後での推移。午前には一時1.3583ドルまでユーロ売りが進む場面が 見られたが、午後には切り返し、一時1.3669ドルまで値を戻した。

新生銀行キャピタルマーケッツ部のキム・カンジャ次長は、とりあ えずギリシャ向け次回融資も実行される見通しで、スロバキアも今週中 にはどうにかEFSF機能拡充法案を可決するということなので、ユー ロはいったん買い戻しになっていると説明。ただ、ギリシャ支援での民 間負担拡大の話など「不安材料はまだある」とし、買い戻しが一巡すれ ば「ユーロはまた下がると思っている」と語った。

ユーロ・円相場もいったん1ユーロ=104円20銭までユーロ安に 振れたが、午後にかけて急速に下げ渋り、一時104円84銭まで値を切 り上げた。

キム氏は、「きょうは人民元が右往左往しており、午前中はダウ先 物も下がっていたので豪ドル・円が売られ、ユーロもつられていたが、 株も戻してきたし、とりあえず『行って来い』で終わってしまっている 」と話した。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半での小動きが継続。朝方 に付けた76円64銭を安値に、日中の値幅はわずか9銭にとどまった。

12日のアジア株式相場は、いったん値を崩したが、その後上昇に 転じて下げ分を取り戻した。株価バリュエーション(評価)が記録的な 低水準に落ち込んだ株式相場を中国当局がてこ入れするとの見方で香港 の株価指数が値上がりしたことが、全体を底上げした。

欧州債務問題をめぐる動き

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は 11日、域内銀行の増資を含む諸問題について、12日に提案を発表する と明らかにした。

一方、EUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の ギリシャ査察団は、「ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)とIMF の理事会が第5回査定の結果を承認し次第、次回融資の80億ユーロ (約8300億円)は支払われる」とし、ギリシャ向け第6次融資の実施 が11月の初旬となる公算が大きいと説明した。

前週末にはメルケル独首相とサルコジ大統領が銀行の資本増強策な どの策定を表明。これを好感し、週明け10日にはユーロが対ドルで一 時1.3699ドル、対円で104円99銭とそれぞれ9月21日以来の高値 まで上昇した。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、11月初めに予定さ れている20カ国・地域(G20)首脳会議までに、ギリシャや欧州内銀 行の問題解決に向けた対策を打つというところで、期待が広がるのは無 理もないと指摘。その上で「悲観の反動からの楽観的な見通しが支配的 になっている」ことから、ユーロはもう少し底堅い展開が続く可能性が あるが、楽観ムードが一気に強まっている分、「失望リスク」も高まっ ていると話した。

スロバキア議会は11日、EFSFの機能拡充案を採決したが、可 決に必要な過半数には届かず、否決された。この日の採決で賛成に回ら なかった最大野党「スメル(道標)」は2回目では賛成する方針である ため、可決・承認は確実だと、同党のフィツォ党首(前首相)は首都ブ ラチスラバで記者団に語った。ミクロシュ財務相は、再採決の日程は決 まっていないが、週内には可決される見込みだと述べた。

メルケル独首相は12日、EFSFの拡充案に関連し、EU首脳会 議が開かれる今月23日までに全てのユーロ圏諸国の批准手続きが完了 すると確信していると語った。

対中制裁法案

米上院は11日、人民元の過小評価を容認する中国への制裁を狙っ た法案を賛成63、反対35で可決した。法案は下院に送付される。た だ、ジョン・ベイナー下院議長は反対を表明しており、法案成立の行方 は不透明となっている。

新生銀のキム氏は、対中制裁法案が下院を通るとは思わないが、仮 に可決した場合、「豪ドルが売られたりするのか、またその時に人民元 を引き上げていく形になった場合に他のアジア通貨も同じように買われ るのか、あるいはアジア通貨にも何かしらプレッシャーがかかってくる ということで売られるのか、今のところどのように反応するのかはわか らない」と話した。

一方、外為どっとコム総合研究所の植野大作主席研究員は、「市場 心理がかなり動意付いているときであれば、どちらかという円高トーク の材料だったと思うが、他通貨が大暴れしようと、米雇用統計がどう出 ようと、ここ2カ月ばかりドル・円はてこでも動かないような状況で、 なかなかこの材料で動くのは難しい」と語った。

中国人民銀行(中央銀行)は声明で、対中制裁法案は通商関係に深 刻な打撃を与え、世界の景気回復を損ねるものだと指摘。米国は自国が 抱える経済問題を「政治問題とするための口実」に人民元を利用してい ると批判した。

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