ギリシャ債、損失が21%超えればCDS決済も-アナリストの見方

ギリシャ国債を保有する投資 家の損失が先に合意された21%を超える場合、同国債を保証するク レジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済を引き起こす公算 があると、アナリストらが指摘した。

バークレイズ・キャピタルとエボリューション・セキュリティー ズ、クレディ・アグリコルのアナリストらは、ギリシャ債で投資家が 強いられる損失は拡大すると予想し、その場合にCDS決済が起こり 得るとみている。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)が応じたオーストリアのテレビインタビュー での発言などが、ギリシャ債でのヘアカット(債務減免)幅拡大の観 測をあおっている。欧州の財務相らはギリシャ救済に関する7月の合 意の見直しに向かっているもようだ。合意は1590億ユーロ(約17 兆円)規模の救済のうち、500億ユーロを債券投資家が負担する内 容だった。

バークレイズのシニア欧州エコノミスト、トマス・ハリエス氏は 「ギリシャの債務再編では何もかもが想定より大規模になり、CDS の決済を引き起こさない形に整えるのは難しいことを示す証拠が増え ている」と述べ、その場合に「銀行が自発的に同意する可能性は極め て低い」と付け加えた。

救済での民間部門の関与(PSI)拡大を目指す財務相らは、危 機の当初からCDS決済につながる信用事由の発生回避を主張してき た欧州中央銀行(ECB)と対立するかもしれない。

デフォルト確率90%以上

国際スワップデリバティブ協会(ISDA)の定義によれば、信 用事由は元本または利払いの減額、支払い遅延、債務の通貨または債 権者間の順位の変更によって引き起こされる。これらが借り手の返済 能力の低下によって起こり、複数の投資家に影響し債権者全体に強制 力を持つ場合に信用事由となる。ISDAの委員会が決済を引き起こ す事由かどうかを判断する。

ギリシャ債の保証コストは、回収率32%を想定したデフォルト (債務不履行)確率90%以上を織り込んでいる。

クレディ・アグリコルのストラテジスト、ハープリート・パーハ ー氏は、ギリシャ債の21%のヘアカットは債権者である「銀行に対 してあまりにも気前が良すぎるように見受けられる。多くの銀行が自 発的にPSI参加を表明したのは当然だ」とした上で、観測が出てい る「60%となると、力学は大きく変わってくる。そうなると幾つの 銀行が自発的に参加するか疑問だ。政治家はさらに圧力をかける可能 性が大きいだろう」と述べた。

ドイツのメルケル首相は救済への民間部門の参加を強く主張した が、CDS決済を引き起こせば危機拡大を招きかねないため政治家は これにつながるいかなる措置にも反対してきた。

エボリューション・セキュリティーズの債券責任者、ゲーリー・ ジェンキンス氏は、21%よりも「大幅に高い比率のヘアカットを強 いれば、CDS決済を引き起こす可能性は十分にある」と述べ、「し かし、それよりもはるかに重要な側面は、投資家がこれを将来のデフ ォルト(債務不履行)のひな型と見なすかどうか、そのように見なさ れた場合のソブリン債への影響はどんなものになるかだ」と指摘した。

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