10月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ小動き、スロバキアのEFSF拡充案最終採決へ

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要取引通貨の大半に対 して上昇。スロバキア議会は1回目の投票で欧州金融安定化ファシリテ ィー(EFSF)機能拡充案を否決したが、週内に行われる2回目の投 票で可決が見込まれている。

ユーロは対ドルで前日とほぼ変わらずの水準となった。ニュージー ランド・ドルは同国の財政赤字が予想以上に拡大したことを受けて下げ た。ユーロは前日、対ドルで約1年ぶりの大幅高となった。独仏首脳が 銀行支援策の策定を公約したことが好感された。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメンツの市場アナ リスト、ジョー・マニンボ氏は「外為市場はとにかくスロバキアの採 決待ちだ」とし、「独仏首脳がユーロ圏の危機に解決をもたらすため に何らかの策を用意しているとの期待でユーロは下げ止まっている」 と述べた。

ニューヨーク時間午後4時38分現在、ユーロはドルに対し前日 比ほぼ変わらずの1ユーロ=1.3643ドル。一時0.6%安まで下げる 場面もあった。前日は2%高と2010年7月以来の大幅高となった。 この日は円に対しても前日比変わらずの1ユーロ=104円58銭。ド ルは対円で変わらずの1ドル=76円65銭。

英ポンド安

英ポンドはドルに対して3日ぶり下落し、0.4%安の1ポンド=

1.5602ドル。英政府統計局(ONS)が11日発表した8月の製造 業生産指数が予想以上に低下したことを受けてポンドが売られた。

ONSによれば8月の製造業生産指数は前月比0.3%低下。これ で3カ月連続マイナスとなった。ブルームバーグがまとめたエコノミス ト調査の中央値では0.2%低下が見込まれていた。7月は0.2%低下 に下方修正された。

韓国ウォンは対ドルでの上げが主要取引通貨の中で最も大きく、 2週間ぶり高値を付ける場面も見られた。

スタンダード・チャータード銀行香港部門のベンジャミン・ハン 最高経営責任者(CEO)は、韓国は3000億ドルを上回る外貨準備 を保有しており、市場のボラティリティを乗り越えられるとの認識を示 した。東亜日報が同CEOを引用して伝えた。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は、0.1%低下して77.529。前日は1.4%低下し、終値ベ ースでは7月13日以来の大幅な低下となった。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・フ ォチェスキ氏(ニューヨーク在勤)は、「ユーロはスロバキアの採決 待ちの状態だ」と指摘。「株式相場は前日の上げを保っている。独仏 が包括的な計画を策定すると公約したことで、欧州の政策当局がよう やく事の核心を理解したとの印象を市場に与えた」と述べた。

◎米国株:買い優勢、決算への楽観が欧州の債務懸念を相殺

米株式市場では欧州債務危機に関する懸念が広がったものの、7- 9月(第3四半期)の米企業決算に対する楽観で買いが優勢になった。

この日の通常取引終了後に決算発表を控えていたアルミ大手のア ルコアは2.1%上昇。アップルやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、 キャタピラーなど景気敏感株も高い。肥料メーカーのモザイクは

4.3%高。クレディ・スイス・グループは肥料関連株に割安感がある と指摘した。AMRは7.1%上昇。傘下のアメリカン航空は旅客輸送 能力を座席数ベースで削減する方針を示した。

米国の証券取引所の騰落比率は7対5。S&P500種株価指数は 前日比0.1%高の1195.54。この日の高値と安値の差は1%未満と、 7月26日以降で最小となった。一方、ダウ工業株30種平均は

16.88ドル(0.2%)安の11416.30ドル。

チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州シャー ロッツビル)のピーター・タズ社長は電話インタビューで「市場は一 部にあった悲観的な見方を重視しなかった」と指摘。「遅れを取り戻 そうとする動きがある。大きく売りを浴びていたセクターが回復しつ つある。この日のアルコアで始まる決算シーズンが恐れられたほど悪 くないかどうかは、時間がたてばおのずと分かる」と話した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の集計によれば、第3 四半期の金融株を除くS&P500種の1株当たり利益は、前年同期比 14%増。2009年末以来の小幅な伸びにとどまっている。

アルコア

ダウ銘柄の先陣を切って決算を発表したアルコアの株価は通常取 引を2.1%高の10.30ドルで終了。決算が発表された後の時間外取 引で株価は急落し、午後4時36分現在では4.5%安の9.84ドルで 推移している。第3四半期の利益は生産コストの増加が響き、アナリス ト予想を下回った。

アルコアの11日の発表資料によると、リストラ費用を除いた1株 利益は約14セントと、ブルームバーグがまとめたアナリスト15人の 予想平均(22セント)を下回った。売上高は21%増の64億ドル。 アナリスト9人の予想平均は62億3000万ドルだった。

トリシェ総裁

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は11日、欧州債務危機が 今や域内の金融システムを脅かしているとの認識を示した。これを材 料に主な株価指数は軟調に推移する場面もあった。スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)はスペインの銀行が2012年に好転すると の予想を撤回。不良債権は12年を通じて積み上がり、それが13年初 頭まで続く恐れがあると指摘した。

通常取引終了後、スロバキア議会は欧州金融安定ファシリティー (EFSF)の機能拡充案について1回目の投票を行ったが、可決に 必要な過半数には届かず否決された。

1回目の投票で賛成に回らなかった最大野党「スメル(道標)」は 2回目では賛成する方針であるため、通過は確実だと、同党党首のフ ィツォ前首相は首都ブラチスラバで記者団に語った。ミクロシュ財務 相は、新たな採決の日程は決まっていないが、今週中には可決する見 込みだと語った。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティー ル最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで「主な懸念材料は システミックリスクだ」と発言。「2008年に起こったショックを考え ると、投資家は機会を捉えるよりも、資本保護に注目する。決算発表 シーズンが進むにつれ、安堵(あんど)感が生まれるかもしれない」 と続けた。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1%上昇。景気動向に敏感なダウ輸送株平均は0.7%高。KBW銀 行指数は0.6%上昇。

◎米国債:続落、欧州沈静化の期待で-3年債2カ月ぶり高利回り

米国債相場は5営業日続落。投資家の間では、欧州首脳らが域内 の債務危機を収束できるとの楽観がある。米財務省はこの日の午後、 3年債(320億ドル)の入札を実施した。今週はこれを入れて計 660億ドルの入札が予定されている。

既発3年債の利回りはほぼ2カ月ぶりの高水準。入札結果によ ると最高落札利回りは0.544%。ブルームバーグ・ニュースがプラ イマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)11社を対象に調査 した予想では0.540%だった。10年債利回りは約1カ月ぶりの高 水準をつけた。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債ト レーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は、「米 国外で起きている問題で最悪の事態は回避できるとの楽観が広がり、 米国債が売りを浴びている。さらに欧州から何らかの対策が発表さ れるとの期待も背景にある」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク 時間午後4時12分現在、3年債利回りは前営業日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.52%。一時は0.55% と、8月1日以来の高水準をつけた。同年債(表面利率0.25%、 2014年9月償還)価格は2/32下げて99 7/32。

10年債利回りは8bp上げて2.16%。一時は9月1日以来で 最高の2.18%まで上昇した。30年債利回りは9bp上げて

3.11%。

「重大な進展」

前日の米国債はコロンバスデーの祝日で休場だった。

欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は、第1次ギリシ ャ救済に基づく第6回分の融資を来月初めに実行することを示唆し た。次回融資は80億ユーロ。第2次救済パッケージについては、 ギリシャ債を保有する投資家の負担が増える方向で再交渉する情勢 となった。

EUとIMF、欧州中央銀行(ECB)による国際ギリシャ査 察団「トロイカ」は、同国の財政再建に向けて「重大な進展」があ ったとの見解を示した。

ギリシャのベニゼロス財務相は国際債権団との合意に基づき、 年金と賃金の削減を拡大することや12年予算案の議会通過を約束 した。EUの行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は11日、 域内銀行の増資を含む諸問題について、12日に提案を発表すると明 らかにした。今月23日には、欧州理事会ならびにユーロ圏首脳会 議が開かれる。

「明るいニュース」

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャ ロン氏は、「状況の好転を確信している人は誰もいない。しかし何 か明るいニュースが欧州から発表されることをより確信できるとこ ろまできた」と述べ、「今は欧州が原動力だ。投資家心理が著しく 変化し、国債相場が押し下げられている」と続けた。

入札結果によると、投資家の需要を測る指標の応札倍率は

3.30倍と、前回の3.15倍を上回った。過去10回の平均値は

3.17倍。

海外の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占める割合は、

37.8%と、前回の35.7%から上昇し、過去10回の平均値 (35.8%)も上回った。直接入札は7.8%と、2009年12月以来 の低水準だった。

財務省は12日に10年債(210億ドル)、13日に30年債 (130億ドル)の入札を実施する。

◎NY金先物:反落、一時2週間ぶり高値-スロバキアでの採決控え

ニューヨーク金先物相場は2週間ぶりの高値を付けたものの、反 落。ユーロ圏の救済基金拡充案に関するスロバキア議会の採決を見極 めようとする動きが広がった。

金は9月6日にオンス当たり1923.70ドルと過去最高値を更新 した。その後は欧州債務危機が深刻化する中で値下がりに転じ、先月は 月間で11%下落。世界的な景気悪化リスクの高まりを背景に大半の商 品に売りが出たことが背景。

キトコ・メタルズ(モントリオール)のアナリスト、ジョン・ナ ドラー氏は電話インタビューで、「救済基金の拡充案が承認された場 合に、金が商品のような値動きをするのか、あるいは安全逃避資産と しての動きになるのか、まだ定かではない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比0.6%安の1オンス=1661ドルで終了。一時は

1686.70ドルと、先月23日以来の高値を付けた。

◎NY原油:今年最長の5日連続高、ガソリンや株価の上昇で

ニューヨーク原油先物相場は今年最長の連続高を記録した。ガソ リン価格が急上昇したことや、前日に8月以来の大幅高となったS& P500種株価指数がこの日も堅調を維持したことが背景。

原油は5日続伸した。米石油大手スノコがペンシルベニア州の製 油所で流動接触分解装置の一部を停止したことで、供給が減少すると の観測からガソリンが値上がりした。この日のS&P500種は

0.1%上昇。第3四半期(7-9月)の米企業決算に関して楽観的な 見方が広がった。

ブルー・オーシャンのエネルギーデリバティブと調査部門のディ レクター、カール・ラリー氏は「株式相場が上昇しており、それが原 油市場に希望を与えている」と指摘。「スノコ製油所の装置停止はガ ソリンと原油の両方にとって強気だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比0.47%高の1バレル=85.81ドルで終了。終値では先月21日 以来の高値となった。

◎欧州株:反落、ギリシャ銀行急落-スロバキアの採決と米決算控え

11日の欧州株式相場は反落。ストックス欧州600指数の上昇は 前日までの4営業日連続で止まった。米企業の決算発表がこの日から スタートするほか、スロバキア議会が欧州救済基金の拡充案を承認す るのか不透明で、売り優勢となった。

ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)やEFGユーロバンク・エ ルガシアスが大幅安。両行ともに上場来の安値を付けた。アナリスト の投資判断引き下げを材料に、ASMLホールディングやSTマイク ロエレクトロニクスなど半導体関連株も安い。一方、コニャックメー カーの仏レミー・コアントローは上昇。ベレンベルク銀行が買いを勧 めたことがきっかけ。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%安の235.28で終了。 一時は1.2%下げた。過去4営業日では8.5%値上がりし、2008 年11月以来の大幅高を記録していた。ただ、欧州債務危機が景気回 復を妨げるとの懸念から、今年2月17日に付けた年初来高値は 19%下回っている。

コペンハーゲンに本拠を置くPFAペンションのシニアストラテ ジスト、ウィトルド・バーク氏は「スロバキアが幾らか不透明感をも たらしている」と指摘。「銀行の資本増強に加え、ギリシャ債務の大 幅減免でドイツとフランスが合意することを市場は織り込んでいるよ うだ」と付け加えた。

この日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が下 落。スロバキア議会は同日、救済基金である欧州金融安定ファシリテ ィー(EFSF)の拡充案を採決する。同案を批准していないユーロ 導入国は17カ国中スロバキアのみ。また米国では取引終了後、米ア ルミ生産最大手のアルコアがダウ工業株30種平均の構成銘柄で最初 に決算を発表する。

ギリシャでは4大銀行が急落。NBGは16%下げ1.60ユーロ、 EFGユーロバンクが20%安の0.56ユーロでそれぞれ終了した。 ASMLは3%下落の26.53ユーロ。STマイクロは4.1%安の

5.19ユーロ。レミー・コアントローは3.1%上げて56.50ユーロ。

◎欧州債:アイルランドなど高債務国相場が下落-景気と銀行を懸念

11日の欧州債市場ではアイルランドを中心に高債務国の国債が 下落。景気減速と域内の脆弱(ぜいじゃく)な銀行が危機解決の足を 引っ張るとの懸念が広がった。

アイルランド10年債利回りは7月6日以降で最大の上昇となっ た。カナダの格付け会社DBRSは、米国と欧州の景気減速がアイル ランド経済の回復見通しに水を差す恐れがあるとの見方を示した。イ タリア国債も下落。同国は2016、25年償還の国債入札を今週実施 する。

ドイツ国債は前日からほぼ変わらず。スロバキア議会は救済基金 拡充案の採決を予定している。ギリシャ国債は上昇。第1次救済に基 づく次回融資実行への楽観が高まったことが手掛かり。

RBCキャピタル・マーケッツの欧州金利ストラテジスト、ノー バート・アウル氏は「過去数カ月のアイルランド国債のパフォーマン スは欧州債市場でスター的な存在だった」と述べた上で、「格付け会 社などの悪材料やスロバキアの採決などが調整要因となったと考えら れる」と発言。また、「イタリア国債に関しては、予定されている供 給増が5年債と10年債への重しとなっている」と語った。

ロンドン時間午後4時42分現在、アイルランド10年債利回り は前日比47ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

8.21%。一時は73bp上昇した。

イタリア10年債利回りは6bp上昇し5.63%、ポルトガルの 10年債利回りは13bp上げ11.55%。ベルギー10年債利回りは 10bp上昇の4.17%となった。

独10年債利回りは2.09%。一時は先月2日以来の高水準とな る2.10%まで上げた。同国債(表面利率2.25%、2021年9月償 還)価格は101.45で、前日からほぼ変わらず。

ユーロ圏当局者は債務危機対策を協議している。この中には域内 の銀行の資本強化を支援する措置も含まれる。欧州中央銀行(ECB) のトリシェ総裁はこの日、債務危機が域内の金融システムを脅かしつ つあるとの見解を示した。欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委 員会のバローゾ委員長は同日、域内銀行の増資を含む諸問題に関する 提案を12日に発表すると語った。

◎英国債:2年債上昇-製造業生産指数が予想以上に落ち込む

11日の英国債市場では2年相場が上昇。この日発表された政府 統計で8月の製造業生産が予想以上に落ち込んだことが手掛かり。

みずほコーポレート銀行の欧州ヘッジファンド・セールス責任者、 ニール・ジョーンズ氏(ロンドン在勤)は電子メールで「英国のマク ロ経済データは引き続き途方もなく失望する内容だ」と述べ、「これ が量的緩和拡大の一因だ。国債利回りは一段と低下する可能性がある」 と続けた。

この日の2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の0.63%。10年債利回りは2.59%でほぼ変わ らずとなった。

英政府統計局(ONS)が11日発表した8月の製造業生産指数 は前月比0.3%低下。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の 中央値では0.2%低下が見込まれていた。7月は0.2%低下に下方 修正された。

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