米国株:買い優勢、決算への楽観が欧州の債務懸念を相殺

米株式市場では欧州債務危機 に関する懸念が広がったものの、7-9月(第3四半期)の米企業決 算に対する楽観で買いが優勢になった。

この日の通常取引終了後に決算発表を控えていたアルミ大手のア ルコアは2.1%上昇。アップルやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、 キャタピラーなど景気敏感株も高い。肥料メーカーのモザイクは

4.3%高。クレディ・スイス・グループは肥料関連株に割安感がある と指摘した。AMRは7.1%上昇。傘下のアメリカン航空は旅客輸送 能力を座席数ベースで削減する方針を示した。

米国の証券取引所の騰落比率は7対5。S&P500種株価指数は 前日比0.1%高の1195.54。この日の高値と安値の差は1%未満と、 7月26日以降で最小となった。一方、ダウ工業株30種平均は

16.88ドル(0.2%)安の11416.30ドル。

チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州シャー ロッツビル)のピーター・タズ社長は電話インタビューで「市場は一 部にあった悲観的な見方を重視しなかった」と指摘。「遅れを取り戻 そうとする動きがある。大きく売りを浴びていたセクターが回復しつ つある。この日のアルコアで始まる決算シーズンが恐れられたほど悪 くないかどうかは、時間がたてばおのずと分かる」と話した。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の集計によれば、第3 四半期の金融株を除くS&P500種の1株当たり利益は、前年同期比 14%増。2009年末以来の小幅な伸びにとどまっている。

アルコア

ダウ銘柄の先陣を切って決算を発表したアルコアの株価は通常取 引を2.1%高の10.30ドルで終了。決算が発表された後の時間外取引 で株価は急落し、午後4時36分現在では4.5%安の9.84ドルで推 移している。第3四半期の利益は生産コストの増加が響き、アナリス ト予想を下回った。

アルコアの11日の発表資料によると、リストラ費用を除いた1株 利益は約14セントと、ブルームバーグがまとめたアナリスト15人の 予想平均(22セント)を下回った。売上高は21%増の64億ドル。 アナリスト9人の予想平均は62億3000万ドルだった。

トリシェ総裁

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は11日、欧州債務危機が 今や域内の金融システムを脅かしているとの認識を示した。これを材 料に主な株価指数は軟調に推移する場面もあった。スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)はスペインの銀行が2012年に好転すると の予想を撤回。不良債権は12年を通じて積み上がり、それが13年初 頭まで続く恐れがあると指摘した。

通常取引終了後、スロバキア議会は欧州金融安定ファシリティー (EFSF)の機能拡充案について1回目の投票を行ったが、可決に 必要な過半数には届かず否決された。

1回目の投票で賛成に回らなかった最大野党「スメル(道標)」は 2回目では賛成する方針であるため、通過は確実だと、同党党首のフ ィツォ前首相は首都ブラチスラバで記者団に語った。ミクロシュ財務 相は、新たな採決の日程は決まっていないが、今週中には可決する見 込みだと語った。

ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズのエリック・ティー ル最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで「主な懸念材料は システミックリスクだ」と発言。「2008年に起こったショックを考え ると、投資家は機会を捉えるよりも、資本保護に注目する。決算発表 シーズンが進むにつれ、安堵(あんど)感が生まれるかもしれない」 と続けた。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1%上昇。景気動向に敏感なダウ輸送株平均は0.7%高。KBW銀 行指数は0.6%上昇。