ECB総裁はシステムへの脅威警告-政治はギリシャ債減免で不協和音

債務危機から欧州を解き放つ 方法について政治家が合意点を見いだせない中で、欧州中央銀行(E CB)のトリシェ総裁は11日、金融システムへの脅威を警告した。

同総裁はブリュッセルの欧州議会で証言し、「危機はシステム全 体の次元に達した」として、「ソブリン債への圧力は経済の小規模な 国から一部の大きな国に及んだ。システム全体の危機であり、断固と した対応が必要だ」と語った。

フランスのサルコジ大統領は危機収束への決定打を来月初めまで に打ち出すと約束。欧州当局者らはこの期限に向けて意見調整を急い でいる。

この日はスロバキアがユーロ圏の中で最後に、欧州金融安定ファ シリティー(EFSF)拡充案を採決する。欧州連合(EU)の行政 執行機関である欧州委員会はこの日発表したユーロ圏に関する四半期 報告で、景気見通しの下振れリスクが増したとの認識を示した。

EFSF拡充案はマルタが10日に承認。EFSFによる国債購 入や予防的な与信枠提供、銀行への資本注入を可能にする機能強化を 阻む障壁はスロバキアだけになっている。

スロバキアのラディツォバー首相はEFSF拡充案の採決を政府 への不信任案と結び付けることで、連立政権内の反対派をけん制しよ うとしている。この日の初回投票で否決された場合は再度採決する方 針。野党スメルのフィツォ党首はこの日、2回目の投票では拡充案を 支持すると述べた。スロバキアでのもたつきはユーロ圏の意思決定が 各国の政争の具となるリスクを象徴している。

反対あっても稼働可能か

ベルギーのルテルム首相は、スロバキアの反対がEFSFの稼働 を妨げることがあってはならないとして、他の16カ国で「ユーロ防 衛の負担」を担うことを10日夜にブルームバーグテレビジョンで呼 び掛けた。

EUのファンロンパイ大統領は首脳会議を23日に延期すること を10日に発表した際、ギリシャ問題の解決から銀行支援、救済基金 の一段の強化まで「包括的な」パッケージをまとめるための時間的な 余裕が必要になったと説明した。

ルクセンブルクのフリーデン財務相は11日に記者団に、「自明 の解決策というものがあるわけではない」とした上で、「技術的、政 治的観点から検討しなければならない幾つかの選択肢がある」と語っ た。

ヘアカット

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセ ンブルク首相兼国庫相)はギリシャの債務減免幅が7月にまとまった 救済案での21%よりも大きくなる可能性があると認めた。23日に再 設定された首脳会議に向けて、各国の駆け引きの要素が出そろった。

ユンケル議長は10日のオーストリアのテレビ局とのインタビュ ーで、投資家の負担拡大につながる債務減免幅について「より大きな 数字」に言及した。同議長のシューラー報道官は11日、議長は 「21%」を超える可能性に言及したものだと説明した。7月の合意の 見直しには欧州中央銀行(ECB)も市中銀行も反対している。

一方、ECBはEFSFを強化する1つの方法には賛成し、EF SFが財政難国の新発債に保証を付けることができるとの見解を示し た。

当局者らは全加盟国の議会承認を必要とせず、ECBの資産リス クを高めることもない方法でEFSFの実効力を高める道を模索して いる。ECBはEFSFに銀行免許を付与し中銀オペを活用させるこ とには反対を表明した。

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