今日の国内市況:株式3日続伸、債券下落、ユーロ高-独仏の銀行支援

東京株式相場は3日続伸。独仏 首脳による域内銀行の支援計画策定の表明や、米国の雇用統計が市場予 想を上回る増加を見せ、欧州の金融システム、欧米景気の先行き不透明 感が和らいだ。電機や機械、自動車など輸出関連株中心に買われ、鉱業 やガラス・土石製品、証券といった景気敏感業種が総じて高い。

TOPIXの終値は前週末比13.45ポイント(1.8%)高の

755.00、日経平均株価は同168円6銭(2%)高の8773円68銭。日 経平均は一時、9月16日以来の8800円台に乗せた。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は9日の会見で 、金融システムを巻き込む恐れのあるユーロ圏の債務危機に歯止めを掛 けるため、域内銀行の資本増強計画の策定に加え、ギリシャを正しい軌 道に乗せ、欧州の経済ガバナンス(統治)を是正するという問題に3週 間以内に対応する考えを明らかにした。

欧州では銀行が他行の破綻を警戒し、7月下旬に0.25%程度で落 ち着いていたドル建ての3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR )が8月以降上昇、10月10日時点では0.394%となっている。

一方、米国で前週末7日に公表された9月の雇用統計では、非農業 部門雇用者数が前月比10万3000人増と、増加幅はエコノミストの予 想中央値(6万人)を上回った。

欧州債務問題や米景気に対する過度の不安後退を背景に、欧米株式 市場では7、10日の2営業日で、S&P500種株価指数が2.6%高、 ストックス欧州600指数は2.5%高。また、東京時間11日の外国為替 市場では1ユーロ=104円台半ばで推移する時間帯が多く、7日午後3 時時点の102円台後半から円安・ユーロ高となった。

欧米株高に見られるように投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、さら に対ユーロでの円高修正で収益懸念が後退し、時価総額上位の輸出関連 株が買いを集めた。ホンダやコマツ、ソニー、東京エレクトロンは5% 超上昇。TOPIXコア30指数への算入が決まったファナック、自社 株取得の上限株数を従来の2倍に引き上げた日本電産も高い。

また、ニューヨーク原油先物相場など商品市況が軒並み上昇したこ とが好感され、三菱商事や国際石油開発帝石など資源関連株も高かった 。東証1部33業種では鉱業、保険、ガラス・土石製品、機械、電気機 器、鉄鋼、証券・商品先物取引、輸送用機器など29業種が上昇。サー ビス、医薬品など4業種が安い。

東証1部の売買高は概算で15億6644万株、売買代金は1兆1028 億円。値上がり銘柄数が1272、値下がりは315。日経平均は投資家の 短・中期売買コストを示し、8月以降の調整局面で上値抵抗線となって きた25日移動平均線(8645円)を明確に上抜けている。

国内新興市場はジャスダック指数が前週末比0.6%高の48.97、 東証マザーズ指数は同2.5%高の406.57とともに3日続伸。

債券は下落

債券相場は下落。欧州債務危機の問題解消に向けて、独仏首脳によ る域内銀行の支援計画策定表明を受けて、前日の米国株相場が大幅反発 した。こうした地合いを引き継ぎ、国内株価が続伸し、売りが優勢とな った。半面、投資家の需要は強く、長期金利の1%台では買いが入り、 相場は午後に下げ幅を縮めた。

東京先物市場で中心限月12月物は続落。日経平均株価が3日続伸 して始まったことなどから、取引開始直後に3日以来の安値となる142 円35銭まで下落。午前は142円40銭付近で推移した。午後に入ると 下げ幅を縮め、一時は7銭安まで戻したが、結局は前週末比16銭安の 142円48銭で終了した。

10日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は前週末比

3.4%高の1194.89。過去5営業日で8.7%上昇し、2009年3月以来 の上げとなった。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は9日、域内 銀行の資本強化とギリシャ対応策を11月3日の20カ国・地域(G20) 首脳会議までにまとめる計画を表明した。また、ベルギー・フランス系 銀行のデクシア解体が決まり、ベルギー政府は国内の消費者向け金融部 門を買収することで合意した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利 回りは前週末比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.00%で開始。4営業 日ぶりに1%に乗せた。しかし、その水準では買いが入り、徐々に水準 を切り下げ、午後に入ると0.5bp高い0.99%で推移している。

今年度下期入り直後で投資家の需要は強いとみられており、長期 金利の1%など節目の水準では買いが見込まれている。

5年物の99回債利回りは一時1bp高い0.355%に上昇したが、 午後は0.5bp高い0.35%で推移。一方、13日に入札を控えている30 年物35回債利回りは変わらずの1.90%で推移している。

ユーロが9月下旬以来の高値圏

東京外国為替市場では、ユーロがドルと円に対して9月下旬以来の 高値圏で取引された。ドイツとフランスによる欧州の銀行支援表明をき っかけに域内の債務問題をめぐる市場の懸念が緩和し、ユーロが底堅さ を維持した。

ユーロ・円相場は正午過ぎに1ユーロ=104円39銭まで下押され たあと、午後の取引で104円73銭まで上昇。その後は104円台半ば を中心に推移した。前日の海外市場では一時104円99銭と、9月21 日以来、約3週間ぶりの高値を付けていたが、連休明けの東京市場は、 ギリシャの債務削減をめぐる不透明感が残り、ユーロの上値を追う展開 とはならなかった。

前日の海外市場で1ユーロ=1.3699ドルと、9月21日以来の水 準まで上昇していたユーロ・ドル相場は1.3617ドルを下値に底堅さを 維持したが、上値は1.3658ドルにとどまった。

一方、ドル・円相場はユーロ主導の展開が続く中、ドルの高値が1 ドル=76円76銭、安値が76円62銭と、値幅14銭のレンジ内での取 引に終始した。前日の取引では一時76円97銭と、3営業日ぶりの水 準までドル高・円安が進む場面が見られていた。

サルコジ仏大統領はメルケル独首相と9日に行った記者会見で、 「われわれは今月末までに危機の問題とビジョンの問題に対応すること になるだろう」と発言。さらに、メルケル首相は銀行が十分な資本を確 保するために欧州の指導者らは「必要なあらゆる対応策」を実行すると 言明し、サルコジ大統領は11月3日に開かれる20カ国・地域(G20) 首脳会議までに計画をまとめると約束した。

独仏主導の銀行支援策を受け、前日の海外市場では株価が上昇。ダ ウ工業株30種平均は300ドルを超える大幅高となり、株価の予想変動 率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリテ ィ指数(VIX指数)は9月20日以来の水準に急低下している。

さらに、保有する欧州のソブリン債をめぐる不安が広がって短期資 金の調達に行き詰まっていたベルギー・フランス系銀行デクシアの解体 が10日までに決定され、ベルギー政府は国内の消費者向け金融部門を 買収することで合意。不良資産を引き受けるバッドバンクを設立するこ とも決まった。

一方で、18日に予定されていたユーロ圏サミットは23日に延期 された。欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領が10日に電子メー ルした声明によると、「ギリシャの状況や銀行の資本増強、安定のため の仕組みの効率向上などに対応するため追加の要素が必要とされている 」とされ、変更後の「日程ならば、包括的な戦略の最終案をまとめるこ とができる」と説明されている。

そうした中、ギリシャのベニゼロス財務相は10日、同国のメガT Vとのインタビューで、EUと欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金 (IMF)の代表団との協議が事実上終了したことを明らかにするとと もに、報告書の準備に約10日間必要になるだろうと語った。

また、ECB当局者が匿名を条件に明らかにしたところによると、 7月21日のユーロ圏サミットで合意したギリシャ支援を含む一連の救 済策について、ドイツが修正を求めているが、ECBはこれに反対して いるという。