債券下落、独仏の銀行支援表明受けた株高で-長期金利1%需要が支え

債券相場は下落。欧州債務危機の 問題解消に向けて、独仏首脳による域内銀行の支援計画策定表明を受 けて、前日の米国株相場が大幅反発した。こうした地合いを引き継ぎ、 国内株価が続伸し、売りが優勢となった。半面、投資家の需要は強く、 長期金利の1%台では買いが入り、相場は午後に下げ幅を縮めた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「欧米 市場での株価上昇や金利上昇を受けて、円債市場は売りが先行した。 欧州債務問題に対する楽観的な見方で短期的な調整のほか、今週の米 国債入札や国内の30年債入札に向けた動きもある」と話した。

東京先物市場で中心限月12月物は続落。日経平均株価が3日続伸 して始まったことなどから、取引開始直後に3日以来の安値となる 142円35銭まで下落。午前は142円40銭付近で推移した。午後に入 ると下げ幅を縮め、一時は7銭安まで戻したが、結局は前週末比16 銭安の142円48銭で終了した。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは、「欧州の銀行に資本注入する話し合いが進んでおり、金融市場 が安定化に向かう流れの中で、これまで『質への逃避』で債券に買い が入っていたことの巻き戻しの動き」と説明した。10日の米株式相場 は上昇。S&P500種株価指数は前週末比3.4%高の1194.89。過去5 営業日で8.7%上昇し、2009年3月以来の上げとなった。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は9日、域内 銀行の資本強化とギリシャ対応策を11月3日の20カ国・地域(G20) 首脳会議までにまとめる計画を表明した。また、ベルギー・フランス 系銀行のデクシア解体が決まり、ベルギー政府は国内の消費者向け金 融部門を買収することで合意した。

10年債利回りは一時1%に

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前週末比1.5ベーシスポイント(bp)高い1.00%で開始。4営業日 ぶりに1%に乗せた。しかし、そこでは買いが入り、午後に入ると

0.5bp高い0.99%で推移している。

今年度下期入り直後で投資家の需要は強いとみられており、長期 金利の1%など節目の水準では買いが見込まれている。三井住友海上 火災保険の高野徳義氏は「10年債利回りが1%に乗せてくると押し目 買い意欲が強い。20年債は1.7%、30年債は1.9%など。株価が上昇 しても欧州問題が抜本的に解決しているわけではなく、課題が多い中 で投資家もしびれを切らしている」と語った。マスミューチュアル生 命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は「長期金利の1%近 辺は絶好の買い場になる」との見方を示している。

5年物の99回債利回りは朝方に1bp高い0.355%を付けたが、午 後は0.5bp高い0.35%で推移している。一方、超長期債は底堅い。13 日に入札を控えている30年物の35回債利回りは0.5bp低い1.895%。 20年物の130回債利回りは0.5bp低い1.69%に低下した。

三井住友海上火災の高野氏は、30年債入札について、「社債投資 の銘柄選択を慎重に進めざるを得ない中で、どうしても国内債投資の ウエートが高くなる。超長期債で高めの利回りを確保せざるを得なく なっており、30年債入札で相場が崩れることはないだろう」と言う。

--取材協力:船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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