米国株(10日):8月以来の大幅高-独仏の銀行支援策に期待

米株式相場は上昇。S&P 500種株価指数は8月以来の大幅高となった。欧州債務危機の沈静化 に向けて、独仏首脳が域内銀行の支援計画を策定すると表明したこと が好感された。

S&P500種を構成する全10業種が上昇した。バンク・オブ・ アメリカ(BOA)とJPモルガン・チェースは大幅高。石油大手シ ェブロンとアルミ生産のアルコアも高い。建機大手キャタピラーと航 空機メーカー、ボーイングは景気敏感株の上げを先導した。一方、ス プリント・ネクステルは7.9%安。少なくともアナリスト7人が同社 の株主総会後に投資判断を引き下げた。

S&P500種株価指数は前週末比3.4%高の1194.89。過去 5営業日で8.7%上昇し、2009年3月以来の上げとなった。ダウ工 業株30種平均は330.06ドル(3%)高の11433.18ドル。小型 株で構成するラッセル2000指数は4.4%上昇した。

オークブルック・インベストメンツで約22億ドル(約1700億 円)相当の資産運用に携わるピーター・ジャンコブスキス氏は、「欧 州は非常に良い一手を打った」とし、「ギリシャのデフォルト(債務 不履行)が取り沙汰されているが、市場を駆り立てている真の要因は ギリシャがどうなるかではなく、ギリシャ債を保有する銀行に何が起 こるかだ。銀行システムが耐えられるのであれば、大問題とはならな いはずだ」と述べた。

S&P500種は先週、弱気相場入り直前で反発。欧州が債務危機 を収拾するとの楽観的な見方が広がったほか、米経済統計が改善した ことが背景にある。S&P500種は月初来5.5%上昇。商品や消費 財、資本財関連株が上げをけん引した。同指数は月間ベースで9月ま で5カ月連続で下落していた。

デクシア解体

この日はストックス欧州600指数が4営業日連続としては08 年11月以来最大の上げとなった。これにつれて米国株も上昇。ドイ ツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は前日、域内銀行の資 本強化とギリシャ対応策を11月3日の20カ国・地域(G20)首脳 会議までにまとめる計画を表明した。また、ベルギー・フランス系銀 行のデクシア解体が決まり、ベルギー政府は国内の消費者向け金融部 門を買収することで合意した。

米国でアルミ生産最大手のアルコアは、11日の取引終了後に7 -9月(第3四半期)決算発表を控えている。ダウ平均銘柄中で最初 の決算発表となる。ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の集計 によれば、第3四半期の金融株を除くS&P500種の1株当たり利益 は、前年同期比14%増と09年末以来の小幅な増加予想となった。

「力強い決算期」

ラッセル・インベストメンツの主任市場ストラテジスト、スティ ーブン・ウッド氏は「決算は比較的良好な内容になるだろう」とし、 「記録的な決算が続くかといえば、恐らくノーだ。ただ力強い決算期 となるはずだ」と述べた。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は4%上昇。ダウ輸送株平均は3.9%高となった。KBW銀行指数は

5.3%上昇。BOAが6.4%上げて6.28ドルとなったほか、JP モルガンも5.2%高の32.30ドルで終了。シェブロンは4%高の

98.20ドル。アルコアは3.9%高の10.09ドルだった。キャタピ ラーは4.8%高の79.13ドル、ボーイングは3.6%高の64.03ド ルで引けた。

スプリントは7.9%安の2.22ドルと、過去2営業日の下落率 は26%となり、08年11月以来の大幅な下げとなった。同社は今月 7日の総会で、ワイヤレスネットワーク拡大や端末の新機種開発で支 出を増大させる計画を発表。さらに資金調達が必要となるとの見方を 示した。

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