【クレジット市場】外債のプレミアムが縮小-生保などが円債に回帰も

外債の円債に対するプレミア ム(上乗せ利回り)が記録のある限りで最小となった。日本の運用者 が外債を購入する根拠が薄れている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によると、 円債の利回りは世界の国債の利回りを示す指数を約100ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下回っている。この格差は月別の 数字としてBOAメリルが算出を開始した1996年以来で最小。米 10年債の日本国債に対するプレミアムは先月、74bpに縮小。ドイ ツ債のプレミアムも69bpに縮小。いずれも20年で最小となった。

日本国債と外債の利回り格差縮小は、為替損失を負うリスクを背 負ってまで外債に投資する妙味が薄くなることを意味する。東京海上 日動あんしん生命保険経理財務部の岳俊太郎・次長兼財務グループリ ーダーは「外債を買う魅力がだいぶ低下してきている」として、「為 替リスクに利回り水準が見合わなくなってきている」と説明。外債に 向かっていた投資資金は「いったんは円債に入らざるを得ない」と指 摘した。

ブルームバーグのデータによれば、円は過去3カ月でドルに対し て5.1%上昇。主要16通貨で同期間に値上がりしたのは円のみで、 8月19日には戦後最高の1ドル=75円95銭に達した。今年の最 低は4月19日に付けた85円53銭。

ゴールドマン・サックス・グループは日本10年国債の6カ月後 の利回りを1.2%と予想し、従来見通しの1.3%から引き下げた。 米国債は2.25%(同3%)、ドイツ国債は2%(同2.75%)にい ずれも予想を変更している。

日本の10年債利回りは先週0.985%だった。9月22日には今 年最低の0.965%を付けた。米国とドイツの10年債利回りは9月 23日にそれぞれ1.6714%と1.636%の過去最低を付けた。

9月13日の日本の20年物国債入札で、応札倍率は3.39倍と 5月以来で最高だったほか、同月6日の30年債入札で価格は市場参 加者の予想を上回る水準で決まった。次回の30年債入札は今月13 日、20年債は20日に予定されている。

あんしん生命では「販売している保険の満期を意識した運用をし ているので、20、30、40年が(投資の)中心になる」と岳氏は話す。 717億ドル相当を運用する富国生命保険は4月に20年国債を購入、 9月にも買い増したという。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券は3日のリポートで、保険 会社からの需要が日本国債を支え利回りを抑えるとの見方を示した。 同社の石井純チーフ債券ストラテジストは、生命保険会社が根本的に 資産配分を見直し、外債を減らして円債を増やすかもしれないと指摘 した。