デクシア解体、ベルギー部門は国有化-ルクセンブルク部門は売却交渉

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ベルギー・フランス系銀行 のデクシアは解体されることになった。ベルギー政府は国内の消 費者向け金融部門を買収することで合意。不良資産を引き受ける バッドバンクを設立することも決まった。

ベルギー政府は国内部門を40億ユーロ(約4200億円)で 買収する。バッドバンクに60%の保証も提供する。週末の会合 を経てレインデルス財務相が10日、記者会見で明らかにした。 ルクセンブルク部門やフランスの自治体向け融資部門などの資 産を売却し、バッドバンクが一段の損失を吸収するための資本と する。

デクシアは地方自治体向け融資業務で世界でも有数の金融 機関として知られていたが、保有する欧州のソブリン債をめぐる 不安が広がって短期資金の調達に行き詰まり、解体が不可避とな った。欧州連合(EU)のストレステスト(健全性審査)合格の 3カ月後の救済劇によって、銀行危機はユーロ圏の中核国に達し た。

ラボバンク・インターナショナルのアナリスト、コール・ク ライス氏は、「デクシアだけの問題ではない」として、「全欧州の 投資家にとって問題は、政治家がどう対応するか、協調し専門家 的な解決策が取れるかだ。これは冷静さを取り戻す機会にもなる」 と話した。

この日午後に取引が再開されたデクシア株は一時36%安と なったがその後反転し一時10%高となった。取引は6日以来停 止されていた。

預金者・債権者保護を確約

各国政府はデクシアとフランス部門のデクシア・クレディ・ ロカールに対し、銀行間市場と債券市場での最大900億ユーロの 資金調達について10年間保証する。ベルギーが約61%、フラン スがほぼ37%、ルクセンブルクが3%の保証を提供する。ベル ギーの負担は同国の国内総生産(GDP)の約15%に相当する。

3カ国の政府は預金者と債権者を保護するため必要なあら ゆる措置を取ると表明した。ベルギー首相府が電子メールで声明 を配布した。ベルギーのルテルム首相とフランスのフィヨン首相、 ルクセンブルクのフリーデン財務相は9日にブリュッセルで会 談した。

フリーデン財務相は10日記者団に、デクシアがルクセンブ ルク部門のデクシア・バンク・アンテルナティオナールをカター ルの王族が支援する投資家グループに売却する方向で交渉して いると明らかにした。ルクセンブルク政府も少数株主になるとい う。キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリスト、ジ ャンピエール・ランベール氏は同部門の価値を約17億ユーロと 見積もっている。

総資産はギリシャ全銀行と同規模

デクシア取締役会はフランスの自治体融資事業について、フ ランスの公的金融機関である預金供託公庫(CDC)およびバン ク・ポスタル(郵政銀行)と交渉に入ることをピエール・マリア ーニ最高経営責任者(CEO)に命じた。

トルコ部門のデニズバンクや資産運用部門などの資産も売 却される公算が大きい。

デクシアの発表によれば、ベルギー事業の売却によって短期 資金の必要額は140億ユーロ余り減少する。マリアーニCEOは この日記者団に、過去3年にわたり短期資金への依存を減らそう と取り組んできたと述べた。同行は2008年に救済されており、 今回は2回目。

デクシアの総資産は6月末時点に約5180億ユーロで、ギリ シャの銀行システム全体とほぼ同規模。過去2年半にアイルラン ドで救済された金融機関を合わせたよりも大きい。

ユーロ危機が金融システムを飲み込むことを恐れるドイツの メルケル首相とフランスのサルコジ大統領は9日、11月3日に開 かれる20カ国・地域(G20)首脳会議までに銀行資本増強の計画 をまとめることを約束した。