ユーロ圏、危機対応の次の一手は銀行を中心に-「最終」作戦となるか

【記者:Patrick Donahue and Helene Fouquet】

10月10日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相とフラン スのサルコジ大統領は、今月にまとめる新たな危機対応の作戦計画の 焦点を銀行に定めた。新計画は12週間前にまとめられ、まだ実践に 至っていない計画を置き換えることになる。

サルコジ大統領は9日ベルリンでメルケル首相とともに記者会見 に臨み、「銀行の資本を増強する」と言明した。「ドイツも完全に同 意している。成長と金融の機能を確実にするため、経済が必要として いる措置だ」と強調した。

1年7カ月におよぶ危機の解決を求める圧力とギリシャのデフォ ルト(債務不履行)への懸念の高まりを受けてメルケル首相も、銀行 が十分な資本を持つため「必要なあらゆる措置」を取ると明言。サル コジ大統領は11月3日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会 議までに計画をまとめると約束した。

「永続的」な解決を模索する中で両首脳はユーロ圏財務相会合 (ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相) が「最終」パッケージと呼んだ7月21日の合意からさらに前に踏み 出すことになる。同合意で21%とされていたギリシャ債の評価額引 き下げ幅は同国経済の悪化を反映して拡大し、投資家の損失負担も増 えるとみられる。

バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュ リアン・キャロー氏は10日のブルームバーグテレビジョンとのイン タビューで、「7月21日の合意が十分ではないとの認識がギリシャ および他の欧州諸国で広まっているようで、その意味でギリシャ情勢 をめぐり大きな困難が立ちはだかっている」と指摘した。

後れは取っても正しい議論

INGグループのエコノミスト、カールステン・ブルゼスキ氏は、 首脳らは事態に対して「まだ一歩後れを取っている可能性はあるが、 少なくとも正しい問題を議論している」と話す。

事態が差し迫っていることを浮き彫りにするように、フランス・ ベルギー系銀行、デクシアの解体が始まった。債務危機の始まり以降、 欧州の中核国で最初の犠牲だ。ベルギー政府は10日、国内の消費者 向け金融部門を40億ユーロ(約4170億円)で買収すると発表し た。

ピーターソン国際経済研究所の研究員、ヤコブ・キルケゴール氏 は、銀行に重点を置いた対応はサルコジ大統領が反対してきたギリシ ャの債務再編を受け入れる姿勢を示唆するとして、「7月の合意は無 効になり、より信頼できる大規模なギリシャ債再編への道筋がついた」 との見解を電子メールで示した。

独仏首脳会談はこの20カ月で8回目。ジョー・ベレンベルク・ ゴスラーのチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏は 「この20カ月の独仏は、時間切れ間際になって同意するということ の繰り返しだ」とコメントした。

両首脳は救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF) の役割に関する新合意は示さなかった。EFSFの機能拡充は7月 21日の合意の一部だが、すべてのユーロ導入国による批准はまだ終 わっていない。