10月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、イタリアとスペインの格下げに反応

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対し て下落。格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインとイタリア の格付けを引き下げたことを受けて、投資家は欧州債務危機が深刻化 しているとの観測を強めた。

ユーロは対ドルでの上げを失った。フィッチは格下げについて、 「ユーロ圏危機」に対する脆弱(ぜいじゃく)性などを理由に挙げ た。ドルはメキシコ・ペソとオーストラリア・ドルに対して下げ幅 を縮小した。欧州債務危機に伴う影響からの逃避先として、ドルの 需要が高まった。ユーロやその他高利回り通貨は一時、米雇用統計 で予想以上の雇用者増加が示されたことに反応し、上昇した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのストラテジスト、 ブライアン・キム氏は、「まだ解決すべき問題が多く残っているこ とを、あらためて投資家に思い起こさせた」と述べ、「投資家は週 末にかけて、あまりロングポジションのリスクを取りたがらない」 と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.4%下げ て1ユーロ=1.3378ドル。ユーロは対円では0.4%下げて1ユー ロ=102円66銭。ドルは対円ではほぼ変わらずの1ドル=76円 73銭。

フィッチの格下げ

フィッチは、イタリアの信用格付けを1段階、スペインは2段 階引き下げた。

対象は両国とも外貨および自国通貨建ての長期発行体デフォル ト格付け(IDR)で、スペインは「AA+」から「AA-」に、 イタリアについては「AA-」から「A+」にそれぞれ引き下げられ た。見通しはともに「ネガティブ(弱含み)」とされた。

米労働省が7日に発表した9月の雇用統計によると、非農業 部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比10万3000 人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値では6万人増が見込まれていた。前月は5万7000人増。速報 値では前月比横ばいだった。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は4日、 「低迷する」景気回復の押し上げに向けて、米連邦公開市場委員会 (FOMC)は追加措置を講じる用意があると述べた。

ドル指数の上昇

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.2%上昇して78.749。一時は0.7%下げる場面も あった。

オーストラリア・ドルは対ドルで0.2%高。一時は1.4%高ま で買い進まれる場面もあった。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ユーロは過去1年間で

4.3%下落。円は8.4%上昇、ドルは0.1%高。

◎米国株:反落、欧州債務懸念が根強く-米雇用増を相殺

米株式相場は反落。S&P500種株価指数は週間ベースの上げ幅 を縮小した。この日発表された米雇用統計で非農業部門雇用者数は市 場予想を上回る増加を示したものの、欧州の債務危機が悪化するとの 懸念が根強く、売りが優勢になった。

S&P500種の金融株指数は前日比3.7%安と、10業種中で最 も下げが大きかった。格付け会社フィッチ・レーティングスによるイ タリアとスペインの格下げが嫌気された。小型株で構成するラッセル 2000指数は2.6%安。過去3日間では11%高と、2009年3月以 来の上昇となっていた。携帯電話のスプリント・ネクステルは20% 安と急落。ネットワークのアップグレードや新型製品の開発のため、 増資が必要になると発表し、売りを浴びた。

S&P500種株価指数は前日比0.8安の1155.46。週間ベー スの上げを2.1%に縮小した。過去3日間では6%上昇していた。 ダウ工業株30種平均は20.21ドル(0.2%)下げて11103.12。

ブラックロック傘下のIシェアーズのグローバル・チーフ投資ス トラテジスト、ラス・ケステリッヒ氏は電話インタビューで、「投資 家が神経質になるのも無理は無い」と発言。「欧州情勢は先が見えな い。米経済の成長もかなり鈍化しており、失業率が下がる見込みはな い。ただ、リセッション(景気後退)に逆戻りしているようにも見え ない」と述べた。

今週に入りS&P500種は、4月に付けた年初来高値から終値ベ ースで20%安の弱気相場入りまであと1%に迫った。同指数は今月 4日の日中安値から前日までに8.4%上昇した。

銀行株が急落

KBW銀行指数は4.3%安。指数を構成する全24銘柄が下落し た。過去3日間で指数は10%上昇していた。バンク・オブ・アメリ カ(BOA)は6.1%安の5.90ドルと、ダウ平均構成銘柄中で最 も下げがきつい。ゴールドマン・サックスは5.4%安の92.69ドル、 JPモルガン・チェースは5.2%安の30.70ドルだった。

金融株は引け前に下げを拡大する展開となった。格付け会社フィ ッチ・レーティングスによる両国の長期発行体デフォルト格付け(I DR)の引き下げが響いた。両国の格下げについてフィッチは、「ユ ーロ圏危機の深刻化」を反映したと説明した。

相場は朝方、堅調に推移した。米労働省が発表した9月の雇用統 計で非農業部門雇用者数は前月比10万3000人増と、市場予想を上 回ったことが背景。過去2カ月間の統計は上方修正された。平均時給 は小幅上昇。失業率は9.1%で前月と変わらずだった。

雇用増は不十分

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、9月の雇 用統計について、非農業部門雇用者数が増加を示したものの米経済の 成長を維持するには不十分との見方を示した。また米国の与野党はど ちらも雇用拡大に何が必要か理解していないと非難した。同氏はブル ームバーグ・ラジオのインタビューで、景気拡大には毎月20万-25 万人の雇用増が必要だと述べた。

チャールズ・シュワブの市場・セクター分析ディレクター、ブラ ッド・ソレンセン氏は「リセッションには陥っていないが、雇用統計 は力強い数字ではなかった」と指摘。「失業率は依然として9.1%で、 それを大きく引き下げるには今回の雇用統計の数字では不十分だ。今 後3-6カ月間は緩慢な成長が続く可能性が高い」と述べた。

スプリントは20%安の2.41ドルと、08年12月以来最大の下 げとなった。

◎米国債:下落、雇用統計に反応-10年債利回り2.05%

米国債相場は下落。9月の米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予 想を上回ったことに反応した。10年債利回りは今週、7月以来で最 大の上昇となった。

米経済の二番底懸念が後退したほか、欧州の債務危機への取り組 みが前進しているとの観測から、米国債利回りは4日連続での上昇と なった。ただ格付け会社フィッチ・レーティングスがイタリアとスペ インの長期発行体デフォルト格付け(IDR)を引き下げたことを手 掛かりに、利回りは上げを縮めた。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのチーフ債券ストラテ ジスト、ケビン・フラナガン氏(ニューヨーク在勤)は雇用統計につ いて、「雇用者数の増加幅が予想を上回ったことで、すでに金利が上昇 しやすい環境にあった国債相場への圧力が増した」とし、「今回の統計 は経済の力強さを示すものでは決してないが、リセッション(景気後 退が差し迫っているとの懸念の緩和には役立っている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後3時53分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント (b p、1bp=0.01%)上昇の2.06%。同年債(表面利率

2.125%、2021年8月償還)価格は21/32下げて100 17/32。

10年債利回りは今週は13bp上昇と、7月1日終了週以降で最 大の上げとなった。

長期債利回り

30年債は価格が1ポイント下落し、利回りは6bp上昇した。今 週は9bp上昇。2年債利回りは3bp上げて0.29%

米労働省が7日に発表した9月の雇用統計によると、非農業 部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比10万3000 人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中 央値では6万人増が見込まれていた。前月は5万7000人増。速報 値では前月比横ばいだった。家計調査に基づく9月の失業率は9.1% で前月と同水準。

パイオニア・インベストメンツのバイスプレジデント、リチャー ド・シュランガー氏は「正しい道へ一歩進んだ」とした上で、「玉ネギ を1枚ずつむけば、懸念材料はまだある」と述べた。

イタリアとスペインの格下げ

フィッチは、イタリアとスペインの長期発行体デフォルト格付け (IDR)を引き下げた。対象は両国とも外貨および自国通貨建てI DRで、イタリアについては「AA-」から「A+」に、スペインは 「AA+」から「AA-」引き下げた。見通しはともに「ネガティブ (弱含み)」としている。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏はイタリアとスペイン の格下げについて、「米国債相場へのプラス効果は限定的だ」と指摘。 「欧州に関するネガティブな要素は多くがすでに織り込まれている」 と続けた。

◎NY金先物:反落、イタリアとスペインの格下げで換金売り

ニューヨーク金先物相場は3日ぶりに下落。フィッチ・レーティ ングスがスペインとイタリアの国債格付け引き下げを受け、他市場で の損失を補填(ほてん)するための売りが出た。

過去3日間に6%上昇していたS&P500種株価指数はこの日、 一時1.3%下落した。商品24銘柄で構成するS&PのGSCI指数 は最大で1.1%安となった。9月6日に1オンス=1923.70ドルと 最高値を更新した金相場は、同月30日までの4週間で14%下落し ていた。

ゴールド・ブリオン・インターナショナルのサブニート・シン最 高経営責任者(CEO)は電話インタビューで「他市場の損失を補填 するため金に大量の売りが出ている」と指摘。「フィッチの格下げで リスク外しの心理が復活している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比17.40ドル(1.1%)安の1オンス=1635.80 ドルで終了した。

◎NY原油:上昇、週間ベースは7カ月ぶり大幅高

ニューヨーク原油先物相場は上昇。9月の米雇用統計で市場予想 を上回る雇用増が示され、米景気減速懸念が緩和されたのが背景。週 間ベースでは7カ月ぶりの大幅高を記録した。

米労働省が発表した9月の雇用統計によると、非農業部門雇用 者数は前月比10万3000人増。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミストの予想中央値では6万人増が見込まれていた。週間ベ ースでの原油は4.8%上昇と、今年3月以来で最も値上がりした。米 原油在庫が減少したほか、欧州の各中央銀行が景気浮揚策を発表した のが手掛かり。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントル イス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「新 たにリセッション(景気後退)に突入するとの深刻な懸念があるが、 次に何か悪い経済統計が発表されるまでは、米雇用統計が懸念を緩和 する材料になるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比0.39ドル(0.47%)高の1バレル=82.98ドルで終了。年初 来から9.2%安。

◎欧州株:3日続伸-米雇用統計が追い風、市場予想上回る増加

7日の欧州株式相場は上昇。ストックス欧州600指数は3営業日 続伸となった。米労働省がこの日発表した9月の雇用統計で、雇用者 数が市場予想を上回る増加となったことが相場への追い風となった。

ドイツのBMWやダイムラーを中心に自動車株が高い。金属の値 上がりを好感し、資源会社の英オーストラリア系リオ・ティントやス イスのエクストラータも値上がりした。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の231.99。週ベー スでは2.6%上昇した。域内危機から銀行を守る措置で当局者らが合 意するとの観測やイングランド銀行(英中央銀行)による資産買い取 りプログラムの拡大が背景。ただ、今年2月17日に付けた年初来高 値を20%下回り、指数構成銘柄の株価収益率(PER、予想収益ベ ース)は9.8倍と、2009年3月以来の低水準に近い。

WGZ銀行(デュッセルドルフ)の株式部門責任者、マチア ス・ヤスパー氏は「米雇用統計は非常に意外なプラス材料だ」と指摘。 「相場はここ数週間は売られ過ぎていたが、欧州中央銀行(ECB) の昨日の決定といい今日の雇用統計といい、いろんなところから追い 風が吹いている。リセッション(景気後退)はどんどん遠のいている ようだ」と語った。

米雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調 整済み)は前月比10万3000人増。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミストの予想中央値では6万人増が見込まれていた。

ECBは6日開催した定例政策委員会で、カバード債の購入と期 間1年以上の長期資金の供給を再開することを決定。また、欧州連合 (EU)の行政執行機関、欧州委員会は銀行の資本強化に向けた協調 行動を呼び掛けているほか、ドイツのメルケル首相も資本増強の必要 があると分かれば、「われわれはその時点でためらうべきではない」 と言明した。

この日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が上 昇。BMWは4.1%高の50.89ユーロ、ダイムラーは1.3%上げ

33.98ユーロで終了。ストックス欧州600指数を構成する業種別指 数で自動車株は1.7%値上がりし、上昇率2位。リオ・ティントは

1.2%高の3164ペンス、エクストラータは2.7%上昇の910ペン スでそれぞれ取引を終えた。

◎欧州債:イタリア債下落、危機解決への期待後退-ドイツ債軟調

7日の欧州債市場ではイタリア国債が下落し、利回りは2週間で 最大の上昇となった。ユーロ圏当局者が域内債務危機の解決に近づき つつあるとの楽観的な見方は薄れた。

ドイツ国債は軟調。この日発表された9月の米雇用統計で非農業 部門雇用者数がエコノミスト予想を上回る増加となったことが手掛か り。ポルトガル国債も下げた。格付け会社ムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスが同国の銀行9行を格付下げしたことが嫌気された。

一方、スペイン国債は上昇。同国債とイタリア国債を欧州中央銀 行(ECB)が購入していたと関係者が語っている。

格付け会社フィッチ・レーティングスはこの日の取引終了後、イ タリアとスペインの格付けを引き下げた。

INGグループ(アムステルダム)のシニア金利ストラテジスト、 アレッサンドロ・ジアンサンティ氏は、危機の「解決はそれほど近く ないと投資家は懸念している」と述べ、ポルトガルは「ギリシャの次 に債務再編のリスクが高い国だ」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、イタリア10年債利回りは前日比7 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の5.52%。一時 は14bp上げ、9月20日以降で最大の上昇となった。同国債(表 面利率4.75%、2021年9月償還)の価格は0.485下げ

94.720。

ポルトガル10年債利回りは5bp上昇し11.25%。ギリシャ 10年債の利回りは28bp上げ23.53%。

ドイツ国債は3日続落。10年債利回りは6bp上げ2%。独2 年債利回りは0.60%で、前日からほぼ変わらずとなった。スペイン 10年債利回りは前日比2bp下げ4.99%。

◎英国債:10年債続落、利回り2.46%-2年債ほぼ変わらず

7日の英国債市場では10年債が3日続落。利回りは前日比7ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.46%となった。 2年債利回りはほぼ変わらずの0.62%。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス12%。これに対しドイツ国債は7.3%、米国債は8.8% となっている。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212-617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 小林 恭子 Kyoko Kobayashi +1-212-617-5230 kkobayashi39@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE