米国株(7日):反落、欧州債務懸念が根強く-米雇用増を相殺

米株式相場は反落。S&P500 種株価指数は週間ベースの上げ幅を縮小した。この日発表された米雇 用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回る増加を示したものの、 欧州の債務危機が悪化するとの懸念が根強く、売りが優勢になった。

S&P500種の金融株指数は前日比3.7%安と、10業種中で最 も下げが大きかった。格付け会社フィッチ・レーティングスによるイ タリアとスペインの格下げが嫌気された。小型株で構成するラッセル 2000指数は2.6%安。過去3日間では11%高と、2009年3月以 来の上昇となっていた。携帯電話のスプリント・ネクステルは20% 安と急落。ネットワークのアップグレードや新型製品の開発のため、 増資が必要になると発表し、売りを浴びた。

S&P500種株価指数は前日比0.8安の1155.46。週間ベー スの上げを2.1%に縮小した。過去3日間では6%上昇していた。 ダウ工業株30種平均は20.21ドル(0.2%)下げて11103.12。

ブラックロック傘下のIシェアーズのグローバル・チーフ投資ス トラテジスト、ラス・ケステリッヒ氏は電話インタビューで、「投資 家が神経質になるのも無理は無い」と発言。「欧州情勢は先が見えな い。米経済の成長もかなり鈍化しており、失業率が下がる見込みはな い。ただ、リセッション(景気後退)に逆戻りしているようにも見え ない」と述べた。

今週に入りS&P500種は、4月に付けた年初来高値から終値ベ ースで20%安の弱気相場入りまであと1%に迫った。同指数は今月 4日の日中安値から前日までに8.4%上昇した。

銀行株が急落

KBW銀行指数は4.3%安。指数を構成する全24銘柄が下落し た。過去3日間で指数は10%上昇していた。バンク・オブ・アメリ カ(BOA)は6.1%安の5.90ドルと、ダウ平均構成銘柄中で最 も下げがきつい。ゴールドマン・サックスは5.4%安の92.69ドル、 JPモルガン・チェースは5.2%安の30.70ドルだった。

金融株は引け前に下げを拡大する展開となった。格付け会社フィ ッチ・レーティングスによる両国の長期発行体デフォルト格付け(I DR)の引き下げが響いた。両国の格下げについてフィッチは、「ユ ーロ圏危機の深刻化」を反映したと説明した。

相場は朝方、堅調に推移した。米労働省が発表した9月の雇用統 計で非農業部門雇用者数は前月比10万3000人増と、市場予想を上 回ったことが背景。過去2カ月間の統計は上方修正された。平均時給 は小幅上昇。失業率は9.1%で前月と変わらずだった。

雇用増は不十分

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、9月の雇 用統計について、非農業部門雇用者数が増加を示したものの米経済の 成長を維持するには不十分との見方を示した。また米国の与野党はど ちらも雇用拡大に何が必要か理解していないと非難した。同氏はブル ームバーグ・ラジオのインタビューで、景気拡大には毎月20万-25 万人の雇用増が必要だと述べた。

チャールズ・シュワブの市場・セクター分析ディレクター、ブラ ッド・ソレンセン氏は「リセッションには陥っていないが、雇用統計 は力強い数字ではなかった」と指摘。「失業率は依然として9.1%で、 それを大きく引き下げるには今回の雇用統計の数字では不十分だ。今 後3-6カ月間は緩慢な成長が続く可能性が高い」と述べた。

スプリントは20%安の2.41ドルと、08年12月以来最大の下 げとなった。