今日の国内市況:株式は続伸、債券下落-ユーロが1週間ぶり高値圏

東京株式相場は続伸。欧州債務問 題の封じ込め策の進展が評価されたほか、米国景気に対する過度な不 安も後退した。電機や機械など輸出関連、商社株中心に買われ、KD DIとの価格競争激化の最悪シナリオが回避された、と一部アナリス トの指摘を受けたソフトバンクは、売買代金トップで急反発した。

TOPIXの終値は前日比4.69ポイント(0.6%)高の741.55、 日経平均株価は83円60銭(1%)高の8605円62銭。

欧州中央銀行(ECB)は6日、400億ユーロ(約4兆1000億円) 相当のカバード債の購入を11月から開始し、2回の流動性オペによっ て期間12カ月と13カ月の資金を無制限に供給する方針を決めた。こ れにより、金融機関が資金繰り悪化で経営破たんする「突然死」を防 ぐ効果が見込まれる。イングランド銀行(中央銀行)も、資産買い取 りプログラムの規模を2750億ポンド(約32兆3000億円)に増やすこ とを決定。市場では、2000億ポンドの維持が予想されていた。

ドイツのメルケル首相はベルリンで記者団に対し、欧州の銀行に 資本増強の必要があると分かれば、「十分な資金が投入される」との認 識を示唆。オランダ議会下院では、ユーロ圏の救済基金である欧州金 融安定化基金(EFSF)の拡充案を可決・承認した。

一方、米労働省が6日に発表した先週の新規失業保険申請件数は、 前週から6000件増加し40万1000件。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想の中央値(41万件)を下回った。

欧州問題や米景気への不安が後退し、きのうのニューヨーク原油 先物11月限は前日比3.7%高の1バレル=82.59ドルと連騰。銅先物 も4.5%高と大幅高となった。世界の投資家の間でリスク回避の動き が一巡しており、こうした動きはきょうの東京市場で商社を含む卸売 や石油のほか、建機や海運など広義の資源関連株の上げを後押しした。

東証1部の売買高は概算で16億1830万株、売買代金は同1兆309 億円で、代金は今週の取引で最も少ない。値上がり銘柄数は967、値 下がりは579。

債券は下落

債券相場は下落。欧州各国が債務危機解決に向けた取り組みを強 めているとの観測から、前日の米国市場で株高・債券安となった流れ を引き継いで売りが優勢だった。一方、日本銀行が金融政策の現状維 持を決めたことは事前予想通りで、相場の反応は限定的となった。

東京先物市場で中心限月12月物は、前日比8銭安の142円65銭 で取引を開始。しばらく142円60銭台中心に推移していたが、午後の 取引開始後に日経平均株価が上げ幅を拡大すると売りが増えて、この 日の安値142円54銭まで下落。その後はやや持ち直し、結局は9銭安 の142円64銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.985%で開始。午前は同水 準で推移したが、午後の開始後に1.5bp高い0.99%と2日ぶりの高水 準を付けた。午後2時半前後から再び0.985%で推移。5年物の99回 債利回りは一時1.5bp高い0.35%と4日ぶりの高い水準を付けた。一 方、超長期債は堅調。20年物の130回債利回りは1bp低い1.695%。 30年物の35回債利回りは1bp低い1.90%。

日銀は7日、同日開いた金融政策決定会合で、金融政策について 全員一致で現状維持を決めた。被災地金融機関を支援する資金供給オ ペの受付期限を6カ月延長し、2012年4月末とすることも決定した。

日本時間今晩に9月の米国雇用統計が発表される。ブルームバー グがまとめたエコノミスト調査によれば、9月の非農業部門の雇用者 数は前月比5万5000人増加の予想。失業率は9.1%と横ばいの見通し。 米雇用関連は足元で強めの統計が相次いでいる。オートマティック・ データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズによ ると、9月の米民間部門雇用者数は前月比9.1万人増と、予想7.5万 人増から上振れ。また、先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は6000件増の40.1万件と、予想(41万件)を下回った。

ユーロが1週間ぶり高値圏

東京外国為替市場では、ユーロが対ドルで、1週間ぶり高値圏で 推移した。欧州当局が銀行資本強化に動いているとの観測を背景に投 資家のリスク回避姿勢が和らぐなか、ユーロは1ユーロ=1.34ドル台 を維持。ただ、根本にある欧州債務問題への懸念は根強く、海外時間 に注目の米雇用統計の発表も控えて、ユーロの上値は限られた。

午後4時現在のユーロ・ドル相場は1.3440ドル前後。前日の海外 市場では一時1.3451ドルと9月30日以来の水準までユーロ高・ドル 安が進んでいた。ユーロ・円相場は1ユーロ=102円96銭付近。海外 時間には103円10銭を付ける場面があった。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円台後半での小動きに終始。午 後には76円59銭まで円が強含む場面も見られたが、その動きも続か ず、日中の値幅はわずか14銭にとどまった。日本銀行はこの日開いた 金融政策決定会合で、全員一致で現状維持を決定した。

メルケル独首相は6日、銀行の資本不足を指摘する専門家の意見 を「極めて深刻」に受け止める必要があり、資本増強の必要があると 分かれば「十分な資金が投入される」と言明、「われわれはその時点で ためらうべきではない」と強調した。欧州連合(EU)の行政執行機 関、欧州委員会のバローゾ委員長は同日、銀行の資本強化に向けた協 調行動を同委が加盟国に提案していることを明らかにした。

欧州当局者は銀行の財務基盤強化に取り組み始め、ギリシャの債 務負担軽減に向けた手段を検討している。メルケル首相は投資家が確 実視しているギリシャのデフォルト(債務不履行)に備える必要性に 言及する一方、フランスのサルコジ大統領は、同国の銀行が最大の損 失を被ることになるデフォルトに慎重だ。両首脳は9日にベルリンで 会談を行う。

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