トヨタ:国内部品メーカーに大幅値下げ要求、半額提示も-円高など

円高などに苦しむトヨタ自動車が 国内の主要な部品サプライヤーに対し、納入価格の大幅値下げを求め ていることが、事情に詳しい関係者4人の話で分かった。トヨタは生 産・販売を強化している新興国でも部品の現地調達を進めている。国 内取引先にも新興国部品メーカーと価格面などで同等の競争力を求め ることが狙いで、従来の半額程度の価格を提示された業者もいる。

事情に詳しい複数の関係者によると、トヨタの新たな調達方針は 8月に長野県内で開かれたデンソーやアイシン精機など主要サプライ ヤーの任意団体、協豊会の会合で、トヨタの佐々木真一副社長が発表 した。

この方針について、あるトヨタ関係者は東日本大震災以降、日本 のものづくりが円高や電力不足、高い労働コストなど「六重苦」に直 面する中、これまでのやり方では部品メーカーと共倒れになる恐れが あり、サプライヤー側にも応分の負担を求めるものだと話した。別の トヨタ関係者は、トヨタが為替問題と戦っている中、サプライヤーが これまで通りのコスト感覚でいるのは許されず、国際競争力をつけて もらう必要があると話した。

トヨタと取引関係がある部品メーカーの関係者によると、佐々木 副社長の発言以降、個別の会合で特定の商品に関して、トヨタ側から 従来の約半分の仕入れ値を提示されたことを明らかにした。

日産自のゴーン改革を思い起こす

調査会社IHSオートモーティヴの安宅広史アナリストは、日産 自動車がカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の下で10年前に サプライチェーン(供給・調達網)を見直したように、「トヨタもグル ープ内で回すのではなく、サプライヤーを見直す必要があるのかもし れない」と指摘した。トヨタは同業他社に比べ国内生産比率が高く、 「国内生産300万台を維持するとしているので、その分、国内にある グループのメーカーから多めに受注していたのだろう」とみている。

トヨタの部品メーカーへの値下げ要求について、トヨタ広報担当 の富田あみこ氏は電話取材に対し、コメントを控えた。

トヨタは8月2日、今期(2012年3月期)業績予想で、営業利益 段階で為替変動が1600億円のマイナス要因になることを明らかにし た。今期予想の為替前提は1ドル=80円、1ユーロ=116円。為替相 場は7月半ば以降、1ドル=70円台の後半で推移している。4-9月 の平均は1ドル=79円62銭で、前年同期の88円89銭から10円近い 円高水準となっている。

トヨタは円相場が1ドル=75円まで上昇した場合でも、コスト構 造の改善で利益を確保する態勢を整えると、新美篤志副社長の話とし て米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版)が伝え、広 報担当の橋本史織氏が6日、報道内容を確認した。

トヨタの最近の株価は7月8日に3480円まで上昇した後、下落傾 向となり、10月5日には2511円まで下落した。この報道後、協豊会 のメンバー、トヨタ紡織の株価が急落し、一時は前日比6.8%安の980 円となったほか、アイシン精機も一時は同4.9%安の2323円となった。

--取材協力:向井安奈 Editors:Hideki Asai、Kiyo Sakihama

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