ソロス氏のインサイダー取引有罪判決、欧州人権裁判所が支持

フランスの銀行ソシエテ・ジェ ネラルの株式をめぐるインサイダー取引に関与したとして著名投資家 ジョージ・ソロス氏が2002年に同国で受けた有罪判決をめぐり、欧 州人権裁判所は6日、仏証券法は十分に明確で同氏の責任を問えると して、人権侵害を主張した同氏の訴えを退ける判断を示した。

仏証券市場監督当局は、インサイダー取引法が不明瞭でソロス氏 が法に抵触したかどうか判断できないとしていたが、同裁判所は、先 の判決でソロス氏の人権は侵害されていないと判断した。

欧州人権裁判所は、「ソロス氏は著名な機関投資家であり、実業 界での認知度も高く、大型の金融プロジェクトにも参加していた」と した上で、同氏の地位と経験からすれば、投資を行う決定がインサイ ダー取引法に抵触する可能性があると「認識できなかったとは考えら れない」と指摘。類似の先例がなかったことから「同氏は特に慎重を 期すべきだった」と結論付けた。

ソロス氏は、ソシエテが買収対象になる可能性があることを知り ながら同行の株式を取得したとして有罪判決を受け、1988年の株式購 入で得た220万ユーロ(現在の為替レートで約2億2600万円)の返 還を命じられた。ソロス氏は判決を不服として控訴したが、最終審の 破棄院は罰金支払いを無効としたものの、下級審の有罪判決を支持し たため、ソロス氏が2006年12月に欧州人権裁判所に訴えていた。