膨らむウォール街デモ-靴下やピザ、野菜の缶詰の差し入れ世界中から

3週間目に入った米ニューヨーク 市ズコッティ公園での「ウォール街を占拠せよ」デモ。デモを称賛す る市民の1人が靴下と野菜の缶詰を差し入れにやって来た。

劇作家の傍らフォーダム大学で非常勤で教えているエイミー・エ バンスさん(36)は5日午後、「私はいつも不満を口にしているだけ。 不満を行動に移す人々を見ると、何らかの形で支援しなければと感じ る」と語る。

数ブロック南にあるピザ店リベラトス・ピザには、世界中の支持 者から「オキュパイ(占拠)」と名付けられた15ドル(約1150円)の ピザをデモ参加者たちに届けてほしいという注文が入る。オーナーの テリー・リベラトス氏によると、この直径18インチ(約46センチメ ートル)のピザが9月18日以降、数百枚売れた。

リベラトス氏は「私はデモとは何の関係もない。どちらの味方で もない。夏の売り上げは思わしくなかった。商売を何とかしたい」と 話す。

エバンスさんはこの場所で夜を明かすつもりはないと言う。「デモ 参加者を称賛しているが、私は泊り込むようなタイプではない」。

デモは大きなテントが張られるほどに膨らんでいるようだ。泊ま りがけの人や立ち寄った人、若者や高齢者、急進主義者や進歩主義者、 プラカードを手にした人やスローガンを口ずさむ人が次々と加わって いる。10数人へのインタビューとデモに関するウェブサイト、無料で 配られている新聞「占拠されたウォールストリート・ジャーナル」に よると、デモ参加者たちは、経済と米政府は大半の米国人を見捨て、 米国の大企業、特に金融機関の権力が強過ぎると考えている。

「熱狂に引き込まれる」

「金で買える最高の議会は何をやっている?」と書かれたプラカ ードを持ったクイーンズ区在住の庭師、ポール・デローズさん(56) は、オバマ米大統領に裏切られたと感じているという。「彼は他の大統 領とは違うはずだと思っていたが、これまでで最もひどい宣伝係のよ うな人物なのかもしれない」と話す。

パートとして衣料品店でも働いているデローズさんは「子供のこ ろから政治や政策にとても興味があった。この光景を見て熱狂的な動 きに引き込まれた」と語る。選挙資金を公的費用で賄うことを支持し ている。

デローズさんは「これはよくリストに挙がるテーマだから、あな たも知っているはずだ。地球温暖化も恐ろしいと思う」と話す。

メディア関係者も詰め掛けている。ジャーナリストたちでごった 返し、ボランティアたちは無料で食料を配布している。今週は、時刻 に応じてピザや果物、サンドイッチが提供された。大半は寄付された ものだ。

寄付

カラー4ページで構成される「占拠されたウォールストリート・ ジャーナル」紙を共同で創刊し、「The Indypendent(インディーペン デント)」紙の運営も支援するアルン・グプタ氏は、「ここで作り上げ られているのは、急進的で民主的な商品化されていないパブリックス ペース(公共空間)だ」と指摘。「ここでは金銭のやり取りは全く行わ れていない。世界資本主義の聖地における強力なシンボルだ」と語っ た。

6日午後までにインターネットサイトのキックスターターを通じ て「占拠されたウォールストリート・ジャーナル」紙に1169人がクレ ジットカード番号を入力し、5万1123ドルの寄付が寄せられた。創刊 号のトップ記事でグプタ氏は、「疎外された人々が金融業界の権力者と 警察当局からこの地域を解放した」と書いている。

グプタ氏(46)はインタビューで、「これは革命ではない。ただ、 何が可能かということについて人々の意識に変化をもたらしている」 と述べた。個人的に影響を受けた著作として2009年に死去したジョン ズ・ホプキンス大学の社会学者、ジョヴァンニ・アリギ氏の「長い20 世紀-資本、権力、そして現代の系譜」を挙げた。

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