山口公明代表:JT株の完全売却に慎重、葉たばこ生産者に配慮を(1)

公明党の山口那津男代表は東日本大 震災からの復興財源として与党が提唱する政府保有のJT株の完全売 却案には慎重に対応する必要があるとの認識を明らかにした。一部を 売却して政府保有を2分の1から3分の1に引き下げるための法改正 は容認する可能性も示した。6日のブルームバーグ・ニュースのイン タビューで語った。

山口氏はJT株について「潜在的な資産価値が高いと言われてい る。一部売却して復興財源に充てるということは許容していい」と指 摘。その上で、全部を売却することについては「短い期間で全株売却 すると製造や小売りの現場で非常に混乱や損失が伴う恐れがあり、慎 重に議論したほうがいい」と語り、葉たばこ生産者や零細な小売業者 への配慮が必要との考えを明らかにした。

JT株の6日終値は前日と変わらずの36万3000円。政府が保有 する約500万株はこれを基に計算すると、1.8兆円規模になる。保有比 率の引き下げには政府に株式総数の50%以上の保有を義務付ける日本 たばこ産業株式会社法(JT法)の改正が必要だ。参院で野党が多数 派を占める「ねじれ国会」では法改正には野党側の協力が不可欠とな る。

JT株の完全売却に関しては、民主党の前原誠司政調会長が9月 27日の記者会見で、5年で政府保有を2分の1から3分の1に下げ、 その後「10年プラスアルファのかなり長いタイムスパンの中で最終的 には全株を売る」と明言。JTの飯島謙二専務執行役員は6日、都内 で記者団に対し、「是非やっていただきたい」と歓迎する意向を示して いた。

一方、自民党の谷垣禎一総裁は9月29日の記者会見で、JT株売 却について「今、国が持っていることによって、葉たばこの全量買い 上げのような制度が機能していると思う。それを売ってしまうという ことは、そういう前提が崩れてしまう」と慎重な考えを明らかにして いる。

第3次補正

山口氏はまた、震災からの本格復興のための今年度第3次補正予 算案をめぐる民主、自民両党との3党協議について政府が同案を国会 に提出する前に大筋での合意を目指すべきだとの考えを表明。その上 で、国会での成立時期について「政府は28日に提出したいという希望 を持っているようだが、できれば11月の中旬までに成立を図る努力を することが望ましい」との認識も示した、

郵政株

政府・与党は郵政改革関連法案の早期成立を前提に日本郵政株を 売却して復興財源に充てることでも合意している。山口氏は同法案に 関しては「与党の出した法案をそのまま成立させるという合意をつく るのは難しい。利害を調整した合意、修正の合意を模索するべきだと 思う」と述べ、与野党による修正協議の必要性を強調した。

郵政株売却を復興財源に充てることについては「最初に提案した のは公明党だ。さまざまな利害を調整する形でそういった結果に結び ついていくことは望むところだ」と語った。

たばこ税増税についても「復興財源調達のためにほかの手段では 代わり得ないということであれば許容する余地はある。選択肢の一つ だ」との考えも示した。

復興債の償還については「現役世代できちんとした償還の道筋を つくる」と指摘。その上で、政府・与党が10年間を基本としている償 還期間に関して「現役世代というのは5年なのか10年なのか、15年で はダメなのかという点は柔軟性があっていい」と述べた。

--取材協力:増田珠理 小笹俊一Editors:Hitoshi Sugimoto, Eijiro Ueno

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