米国株:3日続伸、欧州危機の封じ込め前進と期待-銀行株が上昇

米株式相場は3日続伸。S&P 500種株価指数は3日間の上げとしては8月以来の大幅な上昇とな った。欧州当局による債務危機の封じ込めが前進しているとの観測が 広がったことが背景。

S&P500種株価指数を構成する10業種のうち金融株指数は前 日比3.2%高。この3日間では8.8%上げ、2009年7月以来の大幅 な上昇を示した。この日は欧州市場でも銀行株が上昇していた。ガイ トナー米財務長官が米国の銀行は強化されたと発言したことも手掛か り。アルミ米生産最大手のアルコアも高い。商品価格の上昇が追い風 となった。米小売り大手のターゲットは、9月の既存店売上高がアナ リスト予想を上回ったことを背景に値上がりした。

S&P500種株価指数は前週末比1.8%高の1164.97。過去3 日間で6%上昇し、8月15日以来の大幅な上げとなった。ダウ工業 株30種平均は183.38ドル(1.7%)上げて11123.33ドル。小 型株のラッセル2000指数は2.4%高。過去3日間で11%高と、09 年3月以来の大幅上昇となった。

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレーニ ー氏は電話インタビューで、「欧州情勢が非常に重苦しい暗雲となっ て市場を覆ってきた。短期的な措置だけではなく、本質的に一層長期 的な措置が策定されれば、特に金融セクターを中心に市場は歓迎する だろう」と述べた。

米経済統計が市場予想を上回ったほか、欧州当局は債務危機の収 束へ向けた措置を実施するとの観測が広がり、株式相場は3日連続で 上昇。それまでの下落局面でS&P500種は4月の年初来高値から 20%下げた水準をいったんは下回り、弱気相場入り直前まで下げる 場面もあった。

「下振れリスク」

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は6日、市中銀行向けに 1年以上の長期の資金供給を再開すると発表した。一方で利下げを求 める声には応じず、景気の「下振れリスク」は強まったとの認識を示 した。欧州委員会はギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥った場 合に銀行を保護するため、資本注入による協調の用意を進めている。

キャンビア・インベスターズのブライアン・バリッシュ社長(コ ロラド州デンバー在勤)は、「市場はリーマン2とでもいうべき状況 を織り込んでいた」と指摘。「欧州の銀行の資本増強に関して信頼で きる話が聞かれるようになった。リーマンのような事態の再発防止へ 向けて当局はあらゆる手を尽くすだろう」と述べた。

KBW銀行指数は4.6%上昇。ガイトナー長官はこの日、国内 の金融機関は強化され、2008年のリーマン破綻のような事態は「決 して」再発しないと発言。これを受けて銀行株の買いが膨らんだ。

「非常に限定的」

ガイトナー長官は6日、上院銀行委員会で証言し、モルガン・ス タンレーに関する質問に回答。特定の銀行名には触れず、「米金融シ ステムが欧州で最も切迫した国々に対して抱える直接的な投融資リス クは非常に限定的だ」と指摘。「米国の大型機関には総じて当てはま ることだが、資本やレバレッジの水準、資金調達などを見る限り、米 銀は以前よりかなり強化された」と述べた。

BOAは8.8%高の6.28ドルと、ダウ平均銘柄中で最も上昇率 が大きかった。JPモルガン・チェースは5%上げて32.38ドル。 モルガン・スタンレーは4.8%高の15.18ドル。シティグループは

5.3%上げて26.02ドルで引けた。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週からの増加数がエコノミスト予想を下回った。これを受けて この日の株式相場は堅調に推移した。7日には9月雇用統計の発表を 控えている。エコノミスト予想の中央値では非農業部門雇用者数が5 万5000人の増加、失業率は9.1%で高止まりが予想されている。

アルコアは5.4%高の9.88ドルと、ダウ平均銘柄で2番目に上 昇率が高かった。ターゲットは4.3%高の51.91ドル。9月の既存 店売上高がアナリスト予想を上回ったことが好感された。