米アップル、ジョブズ後の製品の広告塔はシラー上級副社長が担当か

米アップルは2009年の展示会「マ ックワールド」で、医療休暇に入っていたスティーブ・ジョブズ最高 経営責任者(CEO、当時)の代役としてフィル・シラー上級副社長 (マーケティング担当)を起用した。その年、ジョブズ氏がまだ休ん でいたため、シラー氏が「iPhone(アイフォーン)3GS」の お披露目役を務めた。

ジョブズ氏が死去したことを受け、シラー氏は同社の主要な広告塔 役を果たすとみられている。シラー氏は長年にわたり、アップルで2 番目に顔の売れた存在だった。ジョブズ氏の基調講演では欠かせない 存在で、新製品の実演を行ったり、ジョブズ氏の相方として笑いをと ったりした。舞台裏では、製品の改善・販売促進を担当するマーケテ ィング部門を統括してきた。

シラー氏(50)はアップルのために常に体を張ろうという意欲を 見せてきた。1999年にジョブズ氏がマックワールドで講演中、臨時の スタントマンとしてアップルのラップトップ型コンピューターを持っ てマットに飛び降りたこともあったほどだ。

同氏はジョブズ氏の基調講演に至るまでの細かいプロセスに関わ った数少ないアップル幹部の一人。製品宣伝のため他社の幹部を招待 して何度も行われるリハーサルにも立ち会った。

アップルが大きな注目を浴びているため、シラー氏自身もハイテ ク界の有名人になった。同氏の登場に注目した「シラーマニア」とい うサイトさえあるぐらいだ。

信頼する腹心

同氏はアップルでジョブズ氏の最も信頼する腹心の一人だった。 同社製品の広告で記憶に残るキャッチコピーの多くを担当したほか、 アップルのパソコン(PC)の「マック」からアプリケーション販売 サイト「アップストア」に至るまで、同社の製品の良さをメディアに 伝えるのも同氏の責任だった。

アップルの開発者担当の責任者として、アプリケーション開発者 やアイフォーン用アクセサリーのメーカーなど、幅広い取引先の体制 構築にも携わった。

アップルが2010年、特定のアプリを独断的に拒否していると感じ た開発者から批判を受けた時、同氏はアップルの方針を明確にするメ モを書いた。09年には、ビジネスウィーク誌に「人々がほとんどの面 で信頼できるようなストアを作った」とアップルのアップストア管理 方針を擁護した。

シラー氏は1982年にボストン大学卒業後、マサチューセッツ総合 病院にプログラマーとして勤務。80年代後半にはアップルに職を得た が、93年に退職。ファイアパワー・システムズやマクロメディアでマ ーケティング担当幹部などを歴任後、97年にアップルに再入社した。 当時、ジョブズ氏はアップルの相談役で、まだCEOとして復帰して いなかった。