ジョブズ氏なきアップル、デザイン責任者アイブ氏が製品構想をリード

米アップルのスティーブ・ジョブ ズ共同創業者が5日に死去したことで、製品デザイン責任者ジョナサ ン・アイブ氏が同社の技術的ビジョンの空白を埋める責任を負うことに なる。

工業デザイン会社エコ・デザインを経営するエリック・チャン氏に よれば、アイブ氏はジョブズ氏が持つ創造性を支えるパートナーとして 社内で抜きん出た存在。ジョニーの愛称で呼ばれるアイブ氏は「iMa c(アイマック)」や「iPod(アイポッド)」、「iPhone (アイフォーン)」、「iPad(アイパッド)」などの製品化につな がる開発作業を監督し、1997年に同社に復帰したジョブズ氏との間で 緊密な関係を築き上げてきた。

英国生まれのアイブ氏はデザイン分野の天才で、英ノーサンブリア 大学に在籍中の80年代に学生賞を2回も受賞した。2006年のスピー チで同氏は、自身の目標は「自己表現ではない。デザインされたように 見えるのではなく、それが必然的な姿であるように見える何かを作るこ とだ」と述べている。

同じ大学に通った友人のクライブ・グリンヤー氏によると、この目 標は学生時代からのもので、アイブ氏の当時のアパートには1つの製品 に数百個の見本が置いてあり、どれも最終的な作品として十分なものだ ったという。両氏はその後デザイン会社タンジェリンを設立した。

アイブ氏は92年にタンジェリンでのトイレのデザインなどのプロ ジェクトから離れ、アップルに移籍。ジョブズ氏がアップルのトップに 復帰した97年からは、アイブ氏はまだ公表されていなかった初代iM acをヒットさせる必要に迫られ、キャンディーカラーの半透明プラス チックを周囲に使用するプランを提案。コンピューター価格が下落して いた当時、ジョブズ氏は大きな出費ではあったものの確実に目立つ製品 にするため同案を採用したという。