債券先物2週ぶり高値圏、投資家需要の強さで-長期金利は今年最低に

債券市場で先物相場が一時、2週 間ぶり高値圏に達した。朝方は前日の米国市場で株高・債券安となっ た流れを引き継いで売りが先行した。しかし、その後は、今年度下期 入り後で投資家需要が強いことから徐々に買いが優勢となった。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グルー プ長は、「欧州債務問題は10月中旬までは紆余曲折が続く見通しで、 債券に対して強気でみている。先物は143円が射程圏内に入っている。 下期に入って、投資家から超長期債などにも買いが入るのではないか」 と話した。

東京先物市場で中心限月12月物は、取引開始後にこの日の安値 142円62銭まで下げたが、その後は徐々に水準を切り上げ、午後の開 始後には上昇に転じた。一時は前日比15銭高い142円88銭と、9月 22日以来の高値を記録。終了にかけて伸び悩み、結局は横ばいの142 円73銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは前日比0.5ベーシスポイント(bp)高い0.975%で開始。しばらく 同水準では推移したが、午後に入ると水準を切り下げ、2時過ぎに

0.5bp低い0.965%に下げ、9月22日に付けた今年最低水準に並んだ。 午後3時過ぎからは0.97-0.975%で推移している。

SMBC日興コーディアル証券の野地慎シニア債券為替ストラテ ジストは、「8、9月に残高を落とした投資家が多いほか、上半期に予 想よりも金利上昇幅が小さかったことなどで残高を積めていない」と 述べ、こうした投資家から中・長期債を中心に買いが入っていると説 明。DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーも、9月決算期末による取引手控え要因がはく落したと して「投資家の債券残高を積み増す動きが強まってきた」と述べた。

流動性供給、応札倍率上昇

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)の結 果によると、募入最大利回り較差がプラス0.005%、募入平均利回り 較差がプラス0.001%となった。需要の強さを示す応札倍率は3.36倍 と、7月11日入札以来の高い水準となった。マスミューチュアル生命 の嶋村氏は、「きょうの流動性供給入札は悪くなかった」と指摘した。

朝方は前日の米国市場の流れを受けて売りが先行した。トヨタア セットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、「ギリシャなど に対する懸念がやや和らいだことを受けて、株に買い戻しが入ってお り、債券は上値が抑えられている」と指摘していた。日経平均株価は 反発し、前日比1.7%高の8522円02銭で引けた。

5日の米国債相場は下落。経済統計の改善に加え、欧州各国が債 務危機の解決に向けた取り組みを強化しつつあるとの期待から米株式 相場が続伸し、安全資産としての米国債需要が後退。米10年債利回り は前日比7bp高い1.89%程度。一方、米株市場でS&P500種株価指 数は同1.8%高の1144.03。

欧州債務問題の長期化で域内景気の先行き不透明感が深まる中、 6日開催の欧州中央銀行(ECB)金融政策理事会での政策対応が注 目されている。もっとも、ユーロ圏の9月のインフレ率は横ばい予想 に反して、前年同月比3%上昇と3年ぶりの高い伸びを示したため、 政策金利を据え置くとの見方が有力。ブルームバーグの調査ではエコ ノミスト52人中11人が利下げを予想している。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 池田祐美 Yumi Ikeda +81-3-3201-2490 yikeda4@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift +81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net