英中銀:資産購入プログラム2750億ポンドに拡大-2年ぶり変更

イングランド銀行(英中央銀行) は6日の金融政策委員会(MPC)で、資産買い取りプログラムの 規模を2750億ポンド(約32兆3000億円)に拡大することを決 めた。欧州の債務危機をきっかけに英経済がリセッション(景気後 退)入りすることを回避するため、経済危機さなかのプログラム開 始以来で最大の購入を決めた。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト32人を対象にまと めた調査では、キング総裁ら9人から成るMPCが資産買い取り枠 を2000億ポンドから拡大すると予想していたのは11人だけだっ た。今回の規模拡大は資産買い取りプログラムが開始された2009 年3月以来で最大となる。

政策発表後にポンドは下落し、英国債は上昇した。英中銀はこ の日の声明で、世界的な景気減速と欧州の混乱が「英景気回復を脅 かしている」と指摘した。前日発表された国内総生産(GDP)統 計では、4-6月(第2四半期)成長率の確定値が、先に公表され た改定値から下方修正された。

ソシエテ・ジェネラルの英国担当チーフエコノミスト、ブライ アン・ヒリアード氏は「劇的な介入で、切迫した状況を示唆するも のと思われる」とした上で、「購入枠はさらに拡大されるだろう」 と述べた。同氏は500億ポンドの規模拡大を予想していた。

ポンドの対ドル相場は政策発表後、一時は前日比1.2%安の 1ポンド=1.5272ドルまで下げた。ロンドン時間午後1時48分 (日本時間同9時48分)現在は1.5310ドル。英10年債相場は 上昇し、利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 低下の2.30%となった。

プログラム「検証」

英中銀は今回の資産買い取りプログラムが4カ月で完了する と想定し、その間プログラムの「検証」を続ける方針を示した。M PCのポーゼン委員は1年にわたり規模拡大を主張していた。

英中銀はこの日、政策金利のレポ金利は0.5%に据え置いた。 エコノミスト調査では53人全員が据え置きを予想していた。

英中銀が資産購入規模を前回拡大したのは09年11月で、同 プログラムは10年初めに完了していた。中銀による購入拡大を承 認したオズボーン財務相はこの日の声明で、金融政策は「経済を支 える上で不可欠の役割」を果たしていると指摘した。

この日の決定は、当局者がインフレの脅威よりも景気回復を重 視していることを示している。8月の英インフレ率は4.5%と、 中銀目標の2倍以上だったが、中銀はこの日の声明で、景気見通し 悪化によって、インフレ率が中期的に目標の2%を下回る「可能性 が高まった」との見解を示した。

この日のMPCの採決結果は19日公表の議事録で明らかにさ れる。MPCメンバーのブロードベント、マイルズ両委員は先月、 量的緩和再開を求めるポーゼン委員への賛同に傾きつつあること を示唆していた。