【今日のチャート】日本のロボット株が指数に勝つ、中国と投信の力

ロボットを作る日本のファクトリ ー・オートメーション(FA)銘柄が、代表的株価指数のTOPIX に勝ち続けている。中国などアジアでの人件費上昇を受け、工場の自 動化投資需要が高まっているほか、株式需給面でも収益力への評価か ら投資信託などファンドによる組み入れ人気が根強いためだ。

きょうのチャートは、FA企業を代表する12社の株価を時価総額 加重式で指数化、これとTOPIXの2005年年初水準を100とし、推 移を比較した。赤線は、中国の製造業従事者の平均賃金の動き。中国 での工場ストライキが相次ぎ表面化した10年以降、FA企業群の強さ が顕著となっている。足元、世界的株安の影響で大幅な調整を強いら れたが、絶対的なパフォーマンスはなお優位だ。12社はファナック、 三菱電機、安川電機、キーエンス、オムロン、THK、SMC、シー ケーディ、ミスミグループ本社、ナブテスコ、山武、横河電機。

JPモルガン証券の中橋透アナリストは、「今後も新興国市場の自 動化投資、生産の高度化が日本のFA関連企業の成長ドライバーにな る」とし、特に中国では「沿岸部での労働力不足や賃金上昇、品質へ の注目などを背景に自動化投資は拡大する」とみている。

FA製品は大きくFA機器、ロボット、NC(数値制御)の3つ に分けられる。工作機械用NC装置で世界首位のファナックは、12年 3月通期計画は未公表だが、中国などアジア市場でFAやロボドリル (小型マシニングセンタ)が好調、欧米向けロボットの回復もあり、 4-9月期(上期)連結純利益は前年同期比34%増の750億円と過去 最高を見込む。好業績を背景に、8月に株価が約12年ぶりに上場来高 値を更新し、FA株への投資人気の強さを示す象徴となった。

ファンド柱の一角

全世界で8721億円(6月末時点)の資産を運用するパインブリッ ジ・インベストメンツは、昨年初からFA分野の日本企業に注目。「パ インブリッジ日本株オープン」の9月末時点の組み入れ比率2位はフ ァナックで、純資産総額の2.6%を占める。同社株式運用部の関谷明 広部長は日本株全体を中立と見る中で、「FA関連企業は成長性の高い 銘柄としてポートフォリオの柱の1つ」と指摘。成長性にも、現状は 強気な見方を継続し、「まだまだアロケーションを積み増せる」と話す。

投資信託協会が公表する公募日本株ファンドの「株式業種別明細 表」によれば、FA企業が多く含まれる機械セクターの時価総額ベー ス組み入れ比率は8月末時点で5.6%と、1年前から0.6ポイント上 昇。内需関連代表の銀行が0.3ポイント下げたのとは対照的だ。

中国の製造業で働くパート労働者の平均賃金は、2000年の8750 元から10年には3万700元と3倍以上に跳ね上がった。昨年以降、中 国の外資系工場では労働者のストライキが相次ぎ、外資系を中心にF A化促進の動きが見える。世界最大の電子機器受託生産会社で、中国 に製造拠点を持つ台湾の鴻準精密は7月、工場自動化を加速する意向 を表明。ドイツ証券では、中国の12次5カ年計画期間中(11-15年) に、FA分野は年率25%-30%成長すると予想している。

中国のFA化、日本比肩になお10年

三菱電では、12年3月期に700億円を見込む中国でのFA事業売 上高について、3年後は1000億円としたい考え。同社FA海外事業部 の松下聡部長は、日本の工場におけるFA化率を100とした場合、中 国は50程度で、「日本の水準に達するにはまだ10年かかる」と言う。

ただ、SMBC日興証券の嶋田幸彦アナリストは、中国のFA需 要は今後も増えていくと見るものの、「これまでの成長速度が4年、5 年続くとは思えない」と指摘。インフレやエネルギー問題など、中国 経済が抱える問題を注視する必要性を挙げている。

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