米国債:下落、欧州危機の解決期待で-30年債利回り2.85%

米国債相場は下落。欧州各国が 債務危機の解決に向けた取り組みを強化しつつあるとの期待から、米 国債の安全需要が後退した。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッ シング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した9月の米民 間部門の雇用者数が市場予想を上回ったことに反応し、米国債は下げ を拡大した。国際通貨基金(IMF)は、欧州連合の当局者らが銀行 資本を強化する計画について作業を進めていると指摘した。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーディング責任者、ジェフリ ー・フェイゲンウィンター氏は「欧州の状況が改善し、なんらかの歯 止めがかかるとの期待が広がっている」と指摘。「市場は行き過ぎの 状況にあり、一部で解消の動きが出ている」と付け加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時59現在、30年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の2.85%。同年債(表面利率

3.75%、2041年8月償還)価格は1 2/32下げて117 31/32。

株価上昇

米株式市場ではS&P500種株価指数が1.8%上昇。ニューヨ ーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限も大幅高となった。

10年債利回りは7bp上げて1.89%。9月23日には過去最 低となる1.6714%を付けた。2年債利回りはこの日ほぼ変わらずの

0.26%。

米国債は7-9月(第3四半期)に大幅上昇。ギリシャがデフォ ルト(債務不履行)に向かっているとの観測や米金融当局の長期債購 入方針が手掛かりとなった。

30年債利回りは第3四半期に146bp低下し、四半期ベースで は164bp下げた08年10-12月(第4四半期)以降で最大の低下 幅となった。

ニューヨーク連銀はこの日、低水準の借り入れコスト維持により 景気の下支えを目指す措置の一環として、償還期限が2018年1月か ら41年2月までのインフレ連動債(TIPS)を13億6900万ド ル相当買い入れた。

欧州の銀行資本強化

英紙フィナンシャル・タイムズは前日、欧州連合(EU)の行政 執行機関である欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)の話とし て、財務相らが域内で「連携・協調したアプローチ」が必要との認識 を持っていると報じた。同委員の報道官はこの日記者団に対し、銀行 の資本を強化する具体的な計画はないと語った。

IMFのボルヘス欧州局長は、「欧州の全ての当局と欧州委員会 がそろって、銀行セクターに公的または民間部門からの資本を追加注 入する計画について共同で作業していることは秘密でも何でもない」 と語った。

BTIGの主任グローバルストラテジスト、ダン・グリーンハウ ス氏(ニューヨーク在勤)は「欧州の問題が相場の主な材料だ」と指 摘。「銀行の資本強化に少しずつ近づいているというニュースは、ポ ジション取りという観点から考えれば、ポートフォリオのデュレーシ ョンを短くするのが悪い戦略ではないことを示唆している」と述べた。

Editors: Dennis Fitzgerald

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関する記者への問い合わせ先: Susanne Walker in New York at +1-212-617-1719 or swalker33@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Dave Liedtka at +1-212-617-8988 or dliedtka@bloomberg.net

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