ユーロ導入国に破産宣告する案、ドイツ経済相がフランス首脳と協議へ

ドイツのレスラー経済技術相は 5日にパリを訪問し、ユーロ導入国の破産を来年にも認める提案を推 進する。そうした計画によって、ギリシャがデフォルト(債務不履行) に陥っても市場の大混乱を回避できるとみている。

メルケル首相の連立政権の一翼を担う自由民主党(FDP)党首 でもあるレスラー経済技術相は同地でフランスのバロワン財務相やフ ィヨン首相と会い、自身の提案について話し合う。独経済技術省が電 子メールで明らかにした。4日後にはメルケル首相がサルコジ仏大統 領をベルリンに招き会談する。

レスラー経済技術相が描く計画は、2013年以降発足する恒久的 な救済基金の下、ユーロ圏の高債務国に破産宣告するとともに経済を 健全化させる道筋を与える内容だ。FDP内から聞こえるギリシャデ フォルト容認論と、同党が掲げる汎欧州の理想に沿ってユーロ導入国 を域内にとどめるという自身の決意の間で、バランスを取ろうとして いる。

メルケル首相は4日夜、与党キリスト教民主同盟(CDU)のメ ンバーに対し、ギリシャがデフォルトに陥った場合の状況については 「誰も確実なことを言えない」と話し、他の高債務国への投機的な攻 撃を招くとともに、ユーロ圏のソブリン債への「著しい信頼感喪失」 を引き起こし、ドイツがマイナス成長に転じるリスクもあると指摘し ている。

ESM

レスラー経済技術相は、破産国が支払い能力を再び持てるように することを恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM) の中心的役割とするよう、自身の提案で追求している。ショイブレ独 財務相はESMの開始時期を1年前倒しして12年半ばとする構想を 支持している。

現在の救済基金である欧州金融安定化ファシリティー(EFSF) とは異なり、ESMは規則でユーロ導入国の破産を容認している。た だ、それだけではなく、破産国が「健全性と競争力」を取り戻せるよ う支援すべきだと、レスラー経済技術相は4日に報道機関に配布され た財務省宛て書簡に記した。その方策の中には債務再編もあり得ると いう。

具体的には破産宣告のためのツールを設定し、政治に左右されな いプロセスにするとともに、破産国の一部の財政・経済政策の管理を 欧州版の国際通貨基金(IMF)である「欧州通貨基金」に移す。ま た、債務返済で投資家と新たな条件を交渉することや国家の資産売却 という手段も盛り込まれるという。