今日の国内市況:TOPIX2年7カ月ぶり安値・債券高、ユーロ下落

東京株式相場は4日続落。TOP IXは日中、終値ベースでともにことしの安値を更新した。米格付け 会社によるイタリア国債の格下げで欧州債務問題への懸念が再燃し、 銀行など金融株が下落。為替の円高止まりによる業績懸念から、機械 など輸出関連株も下げた。

TOPIXは日中安値が724.77と東日本大震災直後の3月15日 に付けた725.90を割り込み、終値でも前日比9.93ポイント(1.4%) 安の726.25と9月26日の水準を下回った。ともに2009年3月13日 以来、2年7カ月ぶりの安値。日経平均株価の終値は73円14銭(0.9%) 安の8382円98銭となった。

きょうの日本株は、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報 道を受け前日の米国株が切り返した流れから、朝方こそプラス圏で始 まったが、ユーロ相場の下げもあって、午後の取引後半に下値を模索。 FTは、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のレーン 委員がソブリン債危機に歯止めをかけるため、域内での協調した取り 組みが必要との共通認識が高まっていると指摘したと報じた。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは4日、 イタリア国債の格付けを「Aa2」から「A2」に3段階引き下げた。 アウトルックも「ネガティブ」。同国政府が慢性的な低成長の中で、債 務の削減に苦戦するとの懸念が格下げ理由だ。別の発表資料では、最 上級の「Aaa」より低い格付けの欧州諸国が格下げとなる可能性も ある、と言及。持続的に負の圧力がかかるとの見通しを示した。

欧州債務危機による信用リスク高まりへの警戒で、三井住友フィ ナンシャルグループなど銀行株が売られ、銀行はTOPIXの下落寄 与度でトップだった。銀行のほか、証券・商品先物取引やその他金融 も東証1部の業種別下落率上位に入り、金融株はTOPIXの下げを 主導した。東京電力が経営合理化を迫られる中、電力株も安い。

東京外国為替市場では円相場が堅調で、今月中旬からの決算発表 で輸出中心に通期業績予想が下方修正されるとの懸念が広がった。円 は1ユーロ=102円前後、1ドル=76円台後半で高止まりした。

東証1部の売買高は概算で20億6774万株、売買代金は同1兆 3080億円。値上がり銘柄数は189、値下がりは1416。

長期金利2週間ぶり低水準

債券相場は続伸。朝方は欧州連合(EU)当局が域内銀行の資本 増強で協調すると伝わり、株高・債券安となった米国市場の流れを引 き継いで売りが先行した。しかし、その後は投資家の潜在需要の強さ が相場の支えとなったほか、午後には国内株価の下げが加速し、買い が優勢となった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは横ばいの0.99%で取引を開始し、午前は0.985-0.99%で推移。 午後にはTOPIX が東日本大震災の直後に付けた年初来安値を下 回る中、前日比2ベーシスポイント(bp)低い0.97%と9月22日以来 の水準を付けた。5年物の99回債利回りは午後に一時、0.5bp低い

0.335%と約2週間ぶり、20年物の130回債利回りは1bp低い1.69% と9月26日以来の水準に低下した。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比4銭安の142円50銭で 取引を開始。しかし、日経平均株価 が朝高後に下落すると、上昇に転 じた。午後には21銭高の142円75銭と9月26日以来の高値を記録。 結局は19銭高の142円73銭で引けた。

ユーロ下落-欧州債務懸念

東京外国為替市場ではユーロが下落。イタリア国債の格下げなど、 債務問題の域内伝播をめぐる懸念がくすぶる中、6日に欧州中央銀行 (ECB)の定例政策委員会を控え、ユーロの上値は限定的だった。

ユーロ・円相場は朝方に付けた1ユーロ=102円71銭を上値に102 円ちょうどを下抜け、午前に一時101円62銭まで下落した。午後には 102円台を回復する場面もあったが、上値は抑えられた。ユーロは前 日の取引で100円76銭と、2001年6月以来の水準までユーロ安が進 んだ後、海外市場で一時102円79銭まで上昇していた。

一方、ドル・円相場は朝方に1ドル=76円93銭を付けた後、円 買い圧力がやや優勢となり、一時は76円62銭まで円が上昇。その後 は上下ともに限定的で、日中の値幅は31銭にとどまった。前日の海外 市場では米株高・債券安を背景にリスク回避の動きが緩和され、一時 76円98銭まで円安が進んでいた。

ユーロ・ドル相場は前日に1ユーロ=1.3146ドルと、今年1月13 日以来のユーロ安値を記録。海外市場で1.3369ドルまで値を戻したも のの、東京市場で一時1.3260ドルまで下押された。ただ、午後にはユ ーロが下げ渋り、1.33ドル台前半で推移した。

欧州中央銀行(ECB)は6日、政策委員会を開く。ユーロ圏の 9月の消費者物価指数は前年同月比で3%と、2008年10月以来の伸 びとなっている。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長 は4日、上下両院合同経済委員会で証言し、景気支援に向けた追加措 置を取る可能性を示した。