デクシア救済、危機の中核国への波及まさに浮き彫り-氷山の一角か

【記者:Gavin Finch, Liam Vaughan and Anne-Sylvaine Chassany】

10月5日(ブルームバーグ):ベルギー最大の銀行を傘下に置くデ クシアは今年、欧州連合(EU)のストレステスト(健全性審査)の 結果、財務が健全な状態にあると認定する「お墨付き」を得た。しか し、それから3カ月もたたずにフランス、ベルギーの両国政府は同行 の2回目の救済検討に追い込まれた。これは欧州の銀行危機が周辺国 から中核国に波及しつつある状況をまさに浮き彫りにしている。

ロンドンのキーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリス ト、ジャンピエール・ランベール氏は、デクシアのEU周辺国関連の エクスポージャー(リスク債権)の「大きさ」に言及し、「われわれ は感染の現実の拡大を示す具体例を目にしている」と指摘。「投資家 はソブリン債の損失がどの程度膨らみ、株価がどこまで行くか全く判 断できない状況だ。リスクを懸念し、資金の投入を減らしている」と 話す。

2008年にもデクシアを救済したベルギー、フランスの両国政府は 4日、顧客保護のために「あらゆる必要な対応策」を講じると強調し、 デクシアの融資を保証すると約束した。だが、同行の株価は22%急落 し、ブルームバーグ欧州500銀行金融サービス指数の構成銘柄で最大 の下げを演じた。ベルギーのルテルム首相は同日、デクシアの不良資 産の受け皿となる「バッドバンク」の設立を明らかにした。

脆弱な銀行が降伏

ゴールドマン・サックス・グループのアナリスト、ジャンフラン ソワ・ノイエ氏(ロンドン在勤)は4日付の顧客向けリポートで、ソ シエテ・ジェネラルやクレディ・アグリコルなどフランスの銀行が市 場の信頼感の悪化に対して特に脆弱(ぜいじゃく)だと説明。巨大な バランスシートを抱え、さまざまな通貨の流動性をホールセール市場 に大きく依存しており、資本増強の見通しも後退していることを理由 に挙げた。

一方、MFグローバルのセールス担当責任者、サイモン・モーン 氏は「デクシアだけがリスクに直面しているわけでは決してない。デ クシアのように預金ベースを上回る資産拡大に走った銀行は幾らでも 存在し、非常に脆弱な状態に置かれている」との見方を示し、「人々 はこのような状況はもうたくさんだと訴え、具体的な対応策を求めて いる。降伏が始まったようだ」と述べている。