米上院が審議入りの対中制裁法案、成立には下院議長など障害も

米上院は人民元の過小評価を理由 とする対中制裁法案の審議入りを決めたが、法案を「極めて危険」と 指摘するジョン・ベイナー下院議長(共和、オハイオ州)など成立に は障害が立ちはだかる。

上院では4日、共和党議員が米国による単独行動を制限するため の修正を求める動きも見られた。オバマ政権は国際貿易上の義務に従 う必要に言及し、法案の内容を検討していることを明らかにした。

米中ビジネス評議会(USCBC)のエリン・エニス副代表はイ ンタビューで、「この法案には若干の行き過ぎがあるように思われる」 と指摘。「法案は提案者らが主張する米国での雇用創出や貿易赤字の削 減といった目標を達成することはできない」と語った。

法案が成立すれば、自国通貨を過小評価された状態に置き、是正 措置を講じない国に関税の上乗せなど制裁措置が発動されることにな る。

ベイナー下院議長は4日記者団に対し、「この法案は議会が動くべ き範囲を超えていると思う」と発言。「中国当局の人民元への対応につ いては個人的に懸念を抱いているが、これがその解決手段になるとは 確信できない」と述べた。

中国人民銀行(中央銀行)は4日、上院の制裁法案審議入りを受 けて「遺憾」の意を表明し、中国外務省はウェブサイトに掲載した声 明で、世界貿易機関(WTO)のルールに違反すると警告した。

修正の動き

オリン・ハッチ上院議員(共和、ユタ州)は、法案の修正を提案 し、対象国に不適切な水準にある為替相場の調整を促す上で、米政府 にWTOおよび国際通貨基金(IMF)との協力を義務付けるよう求 めた。

制裁法案を支持するチャールズ・シューマー上院議員(民主、ニ ューヨーク州)らは今回の法案が議会の役割を超えているとの考えを 示したベイナー下院議長に対し、「発言に驚いている。米国民の雇用を 守るために立ち上がること以外に議会がなすべきことなどない」と反 論した。

USCBCのエニス副代表は、法案の運命は上院をどのような内 容で通過するかにかかっているとした上で、「下院では否決されること が初めから分かっている状況を期待している」と話している。