債券は続伸、国内株安や投資家需要が支え-長期金利2週間ぶり低水準

債券相場は続伸。朝方は欧州連合 (EU)当局が域内銀行の資本増強で協調すると伝わり、株高・債券 安となった米国市場の流れを引き継いで売りが先行した。しかし、そ の後は投資家の潜在需要の強さが相場の支えとなったほか、午後には 国内株価の下げが加速し、買いが優勢となった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは「下期の債券残 高を積み増したい投資家が多い。売りは出にくく、相場の安いところ を買う動きが見られた」と指摘。長期金利は「非常にスローペースで

0.9%をうかがう」と予想した。みずほインベスターズ証券の井上明彦 チーフストラテジストは、前日実施の10年債入札が良かったので相場 は下がりにくいと説明。米欧と比べ「日本の長期金利はなお低下余地 がある」と話した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の318回債利回 りは横ばいの0.99%で取引を開始し、午前は0.985-0.99%で推移。 午後にはTOPIXが東日本大震災の直後に付けた年初来安値を下回 る中、前日比2ベーシスポイント(bp)低い0.97%と9月22日以来の 水準を付けた。5年物の99回債利回りは午後に一時、0.5bp低い

0.335%と約2週間ぶり、20年物の130回債利回りは1bp低い1.69% と9月26日以来の水準に低下した。

イタリア格下げ、欧州債務危機

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは4日、 イタリア国債の格付けを3段階引き下げた。同国政府が慢性的な低成 長の中で債務の削減に苦戦するとの懸念が理由。根強い欧州信用不安 を背景に日本の国債が買われやすい状況は変わらないとみられている。

4日の米株式相場は、取引終了直前に急上昇。日中の下げから反 転した。欧州当局が銀行への資本増強で協調する手段を検討している との報道が好感された。S&P500種株価指数は前日比2.3%高の

1123.95。米国債相場は下落。米10年債利回りは6bp高い1.82%。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比4銭安の142円50銭で 取引を開始。しかし、日経平均株価が朝高後に下落すると、上昇に転 じた。午後には21銭高の142円75銭と9月26日以来の高値を記録。 結局は19銭高の142円73銭で引けた。

ドイツ証の山下氏は、欧州の金融安定化はまだ「あくまで市場の 思惑に過ぎない。米国でも追加金融緩和の憶測は根強い一方、財政出 動などの対応策が打ち出されるとは考えづらい」など、国内債券市場 を取り巻く「外部環境は大きく変わっていない」と話した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、イタリアが格下げされるなど欧州債務危機への懸念は根強く 「リスクオフ」の状況が続いていると指摘。日本銀行の金融政策決定 会合や米雇用統計を通過した週明けにも、投資家の債券買いがさらに 膨らむ可能性があるとの見方を示した。

--取材協力:赤間信行 Editors:Joji Mochida,Hidenori Yamanaka

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